脚本：篠崎好 監督：原田雄一 ゲスト：中村メイコ 浜田晃
江戸では凶盗・闇の矢平次（浜田晃）が舞い戻り商家を荒らしまわり奉行所の手を焼かせていた。一方で、奉行所もいよいよ人員整理が始まり、１５年間勤務していて今後全く見込みが無い同心は、転職するか人材活用補導所へ入り一から鍛え直されるらしい。南町の定廻り同心部屋からも一名がその憂き目に遭うのだそうだ。もちろん、みんなは主水がそうなるだろうと思っているのだが、そんな主水に大事な役目が。公金３，３００両を守るため、ゴミに偽装して主水の管理する百軒長屋で保管しようというのだ。この方法を提案したのが主水の同僚・伊吹（北村晃一）だが、実は伊吹と矢平次は結託しており、この公金を盗むにあたり、昼行灯の主水なら必ずヘマをするだろうとわざとこのような提案をしたのだ。
一方、主水は百軒長屋に引っ越してきた女・お島（中村メイコ）を見て驚く。主水の１７年前の浮気相手だったのだ。今では１６歳になる娘・お小夜（三浦恵理）と二人暮らし。そんなお小夜のことを、お島と肉体関係を持ったこともある主水は「ひょっとしたら自分の娘か……？」などと思ってしまう。そんなお島も今は矢平次の色。今回の盗み働きを手伝うのが目的で百軒長屋に潜り込んできたのだ。伊吹と矢平次の企みはお島のサポートがあって成功するが、お小夜を抱こうとする伊吹から守るためにお小夜を逃がすお島。ところが、矢平次の手下に刺されたお小夜は主水と政に頼み金を渡して恨みを晴らしてもらうよう依頼して息を引き取る。早速仕事にかかり、伊吹と矢平次一派を仕置きする主水たち仕事人。だが、障子の向こうから不意に刀が飛び出した。それをかわした主水が反射的に刺し殺した相手はお島であった……。
お小夜が主水の娘がどうか分からないうちにお島が息絶えてしまうので真相は分からないのですが、どちらでも解釈できるような形で描かれていますね。しかし、主水が自分の娘の敵討ちだと言って依頼する件は、『新必殺仕事人』の「主水娘と同居する」のほうが心に訴えてくるような気がしました。この手の話、実は『必殺仕置人』の「楽あれば苦あり親はなし」のようなパターンを期待していたのですけどね……。多分、お島は主水の裏の顔も知っていたんだろうな。だから、主水がきっと来てくれる、という期待を抱いていたのだろうし、最期は本当に愛した人に殺してもらおうとしたんだと思う……と勝手に解釈。
バレンタインデーネタには一切触れない方向で。
