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日本の片隅でひっそりと暮らすおじさんが書くブログ

必殺仕事人V旋風編 第4話「せん、りつ、カチンカチン体操をする」

脚本:中原朗 監督:松野宏軌 ゲスト:山本ゆか里 上野山功一

奉行所の健康診断で肥満度が増した主水(藤田まこと)。せん(菅井きん)、りつ(白木万理)も贅肉を落とす方法を思案する毎日。

銀平(出門英)のもとに手紙が届く。手紙の主は おたき(山本ゆか里)。武蔵国日の坂村の総代・青木田右衛門(水上保広)の妻で、昔銀平が日の坂村に住んでいた頃に惚れあった仲の女だ。手紙には、関八州取締出役の黒岩忠継(上野山功一)による横暴と、日の坂村の現状、そして夫・田右衛門が捕らわれの身になっていることが書かれていた。銀平は主水に呼び出し、日の坂村へ行くことを嘆願。「これは裏の仕事じゃねえんだ」と言う銀平に警戒する主水は、政に見張らせる。その晩、一瞬の隙を突いて政の見張りから逃れる銀平だが、政に見つかり一触即発。しかし、政は銀平の覚悟を優先させた。

銀平は日の坂村に到着した。見ると聞くとは大違いで、おたき の手紙に書かれていたこと以上の横暴がまかり通っていた。どうやら、名主の七兵衛(西園寺章雄)、岡っ引きの源蔵(重久剛一)もグルの様子。隠し米で私服を肥やす悪人たち。おたき に会うため田右衛門の屋敷へ向かった銀平は おたき と合流。田右衛門は既に死亡しており、銀平は おたき と共に逃亡。幾度かのピンチも政の助けがあり潜り抜けては来たものの、遂に おたき は死亡。

おたき の依頼を受け、今回の事件の黒幕である殿村主記(田端猛雄)を始めとした悪人一味を仕置きする主水たち。

銀平主役編&過去編。政との対決などもあり、なかなか見所は多い。政の義理堅さも目立つ。そして、この頃から主水の出番が少しずつ少なくなっていく。上野山功一、田端猛雄、水上保広のゲストは、http://d.hatena.ne.jp/umikaze/20060808/p3で紹介した風雲竜虎編「白か黒か大商人誘拐騒動」と同じキャスティングと言うのが興味深い。

銀平と おたき が延々と逃げる場面で挿入歌登場。歌詞も逃げる二人に合わせたかのような見事なマッチングなのだが、いかんせんこの場面自体がちょっと長すぎるか。これで時間を持たせたような感があって残念。

仕置シーン、順之助のバズーカが殿村の屋敷の正門を直撃。慌てふためく配下の侍。その混乱に乗じて潜入すると言うなかなか面白い発想。既に暗殺の領域は越えてしまっているが。順之助は殺しも担当しており、源蔵をバズーカで貫通。絶命の表情の背後で大きな爆発、と言うのがパターンとなってきたか。見ているほうは、最早バラエティ番組のノリなのだが。木っ端微塵でも何でもやってくれ。『仕置屋稼業』の印玄の「止めて助けて」と同じで、毎回見るのが楽しみになってきた。一方、政の殺しは、配下の侍が歩いているのを気取られないように七兵衛を始末する凝った演出。松野監督の手腕が光った場面。主水の殺しに至っては、悪人に投げかける言葉も無く、刀を突き刺して去っていくのみ。後期ではちょっと珍しいストイックなもの。

長屋にいるシーンでは、芋を食べていたりうどんを食べていたりと、仕置屋稼業のアジトのような生活観が出ているのがちょっとした特徴だったように思う。ラストのせんりつコントでは、当時流行していたカチンカチン体操をせんりつが実演。確か、うつみ宮土理が考案したんだよね。痩せたい部分の筋肉を意図的に硬直させることによって、鍛えられてシェイプアップできる、ってやつ。