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日本の片隅でひっそりと暮らすおじさんが書くブログ

助け人走る 第27話「江戸大暗黒」

脚本:松原佳成 監督:松野宏軌 ゲスト:多々良純 南風洋子 遠藤征慈

江戸で無理難題な強請りが発生。船宿・舟善を営む女将・おえい(南風洋子)も被害者の一人。お吉(野川由美子)を通じて助け人に依頼をし、文十郎(田村高廣)らはマークを開始する。利吉(津坂匡章*1)と龍(宮内洋)は、強請りを働く連中が続々と集まる寮へと潜入。悪人たちを束ねている男こそ、大門の大五郎(多々良純)という名の江戸の悪の総元締。更には北町奉行所同心・小宮憲吾(遠藤征慈)まで乗り出してくる始末。奉行所の同心が一枚噛んできた上に、本当の訳を話せない おえい の態度に、元締代行の利吉は今回の仕事を見送ることに。お吉はそんな助け人たちの態度に苛立ち、座敷で客と揉めてしまう。店が立て替えた詫び料3両に対し、つい おえい に返すはずの5両を叩きつけてしまう お吉。自宅に帰ってふと我に返り、売れるものを物色するが金にはならない。そこへ登場の文十郎、刀を売って5両用意する。武士の魂である刀を売った文十郎に感謝する お吉。一方、助け人たちをマークしているのかと思われた同心・小宮だが、狙う相手は大五郎。大五郎の手下の被害に遭った者たちの所を巡り、正直に訴えて欲しいと投げかけるのだが、報復を恐れて誰も訴えようとはしない。

おえい は船大工たちに支払う金、80両を工面できず苦しんでいた。そこへ現れる大五郎。江戸処払いとなった夫・善兵衛(石浜祐次郎)の知り合いに扮し、手下の銀蔵(谷口完)が金貸しを営むことを利用し80両を肩代わりすると提案。証文には、舟善を抵当に入れると書かれており罠に嵌められたことに気付く おえい。出会い茶屋で会っていたのは善兵衛だが、江戸処払いの身であるため御定法を犯していることから強請られていたのだ。平内(中谷一郎)は善兵衛のところへ行き、おえい への手紙を書いてもらう。勇気付けられた おえい は小宮に全てを訴える決意を固めた。

小宮は大五郎一派の内ゲバに付け込んで、大五郎自身の捕縛に成功する。しかし、翌日には手下が身代わりとなっていた。どうやら与力である香川(五味龍太郎)とは昵懇の様子。香川が下手人の捜査協力を願い出る間柄らしい。しかしその裁決に納得が行かないのが小宮。無力な町人を泣かせる大五郎を許せない小宮は、文十郎の助言もあり、おえい を始め大五郎の悪事の証言を取りまとめ調書として香川に提出した。

しかし調書は大五郎の手にあった。香川が大五郎の手先であることを知らなかった小宮は憤死。同心が殺されたことにより、表ではなく裏の稼業で始末をつける助け人。

今日は遠藤征慈を二連発。悪役が多い遠藤だが、今回は珍しく善人役。正義感に燃える若い同心を熱演している。余談だが、彼が末期ガンであった時にザ・ワイドで特集した闘病生活が印象に残っている。あえて延命治療や投薬治療を行わず、自然にガンによる死を選ぶ彼の生き方。ガンであることを受け入れ笑顔で毎日をガンセンターで過ごす彼の姿が今でも目に映る。

江戸で悪事を働く連中の総元締に多々良純。小猫を可愛がる好々爺だが、実は極悪人。五味龍太郎の卑劣な与力も嫌らしい。

お吉のために「武士の命」である刀を売ってしまう文十郎の心意気。その分「鉄心の大刀」で大暴れする文さん。悪人を撲殺していくのが気持ち良い。用心棒の浪人を殺すときの、鍔の部分で骨を砕いていくのも生々しい。

平内さんの仕置。小猫のタマを探す大五郎を、床下で待ち伏せ。煙に目をしぱしぱさせる多々良純が面白い。仕込みキセルをこめかみに刺して仕置終了。そう言えば、この間見た『水戸黄門』では、多々良純が偽黄門を演じていたっけなあ。