脚本:金子裕 絵コンテ:ケン・タロウ 演出:荻原露光 作画監督:青木悠三
ルパンと不二子の結婚指輪となる「アラスカの星」が積まれているアメリカの民間機を追うルパンたちだが、パイロットがコースを間違えソ連の領空を侵犯。敵味方識別信号に反応しなかったため、ミグによって撃墜されてしまう。一方、峰不二子はKGB対米諜報局局長・ミハロフと接触。アラスカの星について問われるもその場から逃亡。命の危機に晒される不二子を助けたのはルパンたちだった。元々この話を持ち込んだのは不二子。事の真相を問いただすと「アラスカの星」とはカナダの寒冷植物研究所で発見された突然変異の一粒の麦のことだった。マイナス40℃でも育つ寒冷地に強い麦。世界的な食糧危機の救世主となる発明だったが、シベリアの大地を小麦畑に変えたくないCIAは秘密を知っている研究所員ごと抹殺。その任務に就いたのがジョージ・クーガーという男だった。この男、次元が駆け出しの頃の相棒で「レフティー・ジョー」の二つ名を持つ凄腕の殺し屋だが、命令に背いて麦を一粒持ち出したのだ。ジョーは民間機を操縦していたはずだが、死体もアラスカの星も発見されなかった。ジョーにはバーバラという妻がおり、CIAがマークしている。バーバラと再会した次元だが、昔次元とジョーが決闘をしてまで取り合った女だけにお互いの表情は暗い。そこへCIAの諜報部員が乗り込んでくる。バーバラはさらわれ次元もCIAに連行され拷問を受けるが、ルパンが救出。バーバラも無事救出され、お互いに駆け寄る二人だったが、バーバラは何者かの銃弾によって倒れてしまう……。
米ソ冷戦構造を背景に次元と元・相棒、そして二人が愛した女が絡むハードな作品。更にパースリ初の前後編となっており、相当力を入れて作られている。世界経済を根底から覆す可能性を秘めた突然変異の麦「アラスカの星」を巡って両国のスパイ組織が凌ぎを削る中、次元とジョー、バーバラの愛憎劇が展開される。次元もバーバラも、心の底でお互いを想いながら語るバーのシーンは秀逸。ジョーのバーバラへの気持ちを考え、決闘に一歩引いた形を取った次元だが、バーバラの想いはいまだ次元に傾いていた。一方で峰不二子の行動にも注目。当所はジョーと通じていたようだが、KGBと接触し、最終的にはCIAと手を組んでいる。この行動が後半にどう活きてくるのかが見物。次元の拷問シーンも、キャラクター性を全面に出している。なお、今回からアイキャッチが変更されている。絵コンテの「ケン・タロウ」って誰?「りんたろう」をもじったか?ミハロフ役には富田耕生、バーバラ役には沢田敏子。
![ルパン三世 PARTIII Disc.6 [DVD] ルパン三世 PARTIII Disc.6 [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51Sl09SRr1L._SL160_.jpg)
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2006/02/22
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 13回
- この商品を含むブログ (5件) を見る