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日本の片隅でひっそりと暮らすおじさんが書くブログ

ルパン三世PARTIII 第34話「マンハッタン・クライシス」

脚本:柏原寛司 絵コンテ:甲賀電(尾鷲英俊) 演出:飯田つとむ(飯田馬之介) 作画監督:尾鷲英俊

ニューヨークマフィアの隠し金を狙うルパン。かつて「棺桶と墓堀り」と呼ばれた名刑事が住むスラム街などを転々とし遂にその手がかりを掴むが、ニューヨークマフィアのボス・オルテガの配下が何やら不穏な動き。寝不足で不機嫌な五右ェ門を引き込みクイーンズの倉庫に乗り込んでマフィアを撃退。見事800万ドルを奪ったかに見えたが何とそれは新聞紙の束。おまけに、ニューヨークマフィアからはルパンの命を奪う指令が出され、行き着く先でマフィアに命を狙われる。これは全て800万ドルを懐に収めんとするオルテガの仕組んだ姦計だが、それなら本物の800万ドルをいただきましょう、とルパンたちはまたも寝不足の五右ェ門を巻き込んでオルテガの別荘へ乗り込む。そこには、単独行動の不二子の姿もあった。

32話から続く「ニューヨーク三部作」の最後を飾るのはこの作品。後期パースリを象徴するような軽快なテンポと痛快な動きでルパンたちが画面中を走り回る。銭形が無能であることがベースになるのもこの辺りからか。テレスペの銭形と同じような扱いだと考えてもらって良いかもしれない。不二子は頭のネジが一本抜けたような若い男(声が速水奨!)と付き合いルパンを相手にしてはいなかったのだが、最終的にはその男を利用して800万ドルを独り占めしようとするなど隙が無い。特筆すべき点はクイーンズにあるマフィアの倉庫へ乗り込む際の一コマ。「エリオット・ネス」になりきって乗り込むルパンに「くだらん!実にくだらん!」と不満を漏らす寝不足気味の五右ェ門だが、最終的には自分も「新撰組の御用改めだ!」と思わず伝染してしまうのがユニーク。この時のキャラクターの動きにも注目したいところ。マシンガンの銃弾を蝿のようにボトボト落とす五右ェ門の斬鉄剣捌きはお見事。また、この後サラリーマンや警官、タクシーの運ちゃんなど様々な「マフィア」に襲われた時の次元の一言「人を見たらマフィアと思え〜」は名台詞。最後のトリックは、建物に煙を流し込みオルテガたちに札束を運び出してもらおうというもの。取っ掛かりは前話に少し似ているか?「キウイ」「パパイヤ」「マンゴー」「パイナップル」など色とりどりのフルーツでニューヨークマフィアを撃退するルパン。「君たちキウイ パパイヤ マンゴーだね」と口ずさむ曲も懐かしい。冒頭スラム街にいる老刑事は間違いなく「墓掘りジョーンズと棺桶エド・ジョンソン」のパロディ。オルテガ役には大平透。配下の大男役はキートン山田。神経質な役が多いキートン山田が馬鹿で大男の役を演じるのは珍しい?もう一人のキレ者「アニキ」には納谷六朗

ルパン三世 PARTIII Disc.7 [DVD]

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