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日本の片隅でひっそりと暮らすおじさんが書くブログ

ルパン三世PARTIII 第37話「父っつあん大いに怒る」

脚本:金子裕 絵コンテ・演出:荻原露光 作画監督:小林勝利 曽我部孝

昔「金庫破りの人間国宝」と呼ばれたカルロスと組んでスイスのナショナルバンクからお宝を盗んだルパン。当時「史上最大の金庫破り」と騒がれたこの仕事だが、そのお宝をカルロスが独り占めしてしまった。在り処を尋ねるためにカルロスがいる刑務所へ向かったが、カルロスは既に死んでいた。ある日、銭形警部をつける怪しい影。捕まえてみると何と少女。その少女・アンは家宝を盗んだルパンを恨んでおり、苦労話に泣かされた銭形はルパンの捕縛を約束する。一方、カルロスの孫をマークするルパンと次元。孫は知らないと言い張るのだがどこか怪しい様子。そして、アンの苦労話によってルパン逮捕に火が点いた銭形は、五右ェ門発案の水上歩行機さえも奪い追撃を続ける。追われるルパンの前に突然アンの姿が。アンは銃を構えルパンを狙うが、ルパンは咄嗟にワルサーでアンを撃ち抜いてしまう。アンは血を流し死んだ。銭形は遂に怒りが頂点に達し、ICPOルパン三世射殺許可証を申請し地獄へ送ることを決意する。銭形が最初に標的に選んだのは五右ェ門。五右ェ門は「相手になろう」と立ち会うが、銭形は「止めておけ。わしの相手ではない」と歯牙にもかけない態度。銭形の銃弾を斬った五右ェ門だが、接着剤入りの銃弾であったため斬鉄剣は使い物にならなくなってしまい「銭形……恐ろしいヤツだ」と敗北宣言。「あの殺意は本物だ」と警戒を強める五右ェ門と次元だが、ルパンにしてみたらどうもおかしな話。なぜなら、ルパンのワルサーP38の一発目はいつも催眠弾だからだ。アンが死ぬわけがない。ルパンは銭形との決闘でわざと死んだふりをして事の真相を見極めることに。アンの背後には峰不二子。変装と血糊のトリックを吹き込んだのも不二子だった。しかし、アンは不二子もルパンも出し抜こうとしていた野心家。銭形を使って全てを無き物にしようとしていたのだが、ルパンには通用しなかった。墓石に化けたカルロスの金塊を戴くルパン一家。

銭形主役編。アンの嘘に騙されて本気になってルパンを殺そうとする銭形。これまでも何度か本気の力を見せて次元や五右ェ門を退けルパンとも互角に渡り合ったこともあったが、あくまで生け捕りにこだわっていた銭形がとうとうルパンを射殺する決意を固めたのである。あの五右ェ門ですら全く歯が立たないほどの強さを見せ付けるほど殺意と憎悪を帯びた銭形に対し、当のルパンはと言うと……全く相手にしていないのがルパンらしい。むしろ自分を嵌めたトリックを暴くのが最優先課題。それもこれも、銭形と同様にルパンの事なら知り尽くしている峰不二子が黒幕にいた事こそ今回の対決劇に向かわせた元凶。カルロスの孫であるアンに「男と女」を使い分ける名演技と血糊で仮死状態を演出するという入れ知恵までも授けるが、その不二子さえも手玉に取ろうと企む腹黒い少女アン。しかし最終的にはルパンが全てを見破って墓石に化けた金塊を頂戴する、というストーリー。小娘ではさすがにルパンに太刀打ちできなかった様子。ルパンを撃ち殺してしまったと勘違いした銭形警部が、急に弱気になるのが少々情けない。また、五右ェ門と銭形、ルパンと銭形の銃撃戦はもう少し迫力のある演出を期待したかったところ。演出、作画スタッフの力量不足だったように思う。アン役には堀江美都子

ルパン三世 PARTIII Disc.8 [DVD]

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