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日本の片隅でひっそりと暮らすおじさんが書くブログ

ルパン三世PARTIII 第45話「コンゲームに乾杯」

脚本:新井光 絵コンテ・演出:飯島正勝 作画監督:井上昭子

フランス・パリでの仕事。財宝が詰まったピンカートンの金庫を入手するも、NASAの特殊合金で作られた金庫は五右ェ門の斬鉄剣も対戦車バズーカも受け付けない強固な作り。金庫の鍵は鉄格子に強力な電流が流れるサンテの監獄にあるが、電流の対処に苦しむルパン。そこへ峰不二子登場。電気男ドロンを引き連れておりその実力を証明。早速ルパンはドロンをスカウトし鍵を盗むことに成功するが、ピンカートンの弟でギャング稼業のカルロスが「兄貴のものは俺のもの。俺のものは俺のもの」とばかりにルパンから鍵を奪うために銃を向ける。更には駆けつけた銭形たち警官隊とも激しい銃撃戦を繰り広げるカルロス一家。その隙にルパンたちは逃亡するが、アジトにはボロボロになったドロンが。不二子がカルロスにさらわれたという。カルロスからの手紙にあった場所へ行くと既にカルロスがいた。ところがカルロスはルパンから「鍵を返す」との手紙を貰ってやってきたのだという。しかもカルロスは文盲であった。それもこれも不二子とドロンの策略。更に不二子はドロンを裏切り財宝を独り占めしようと企むが、ドロンによってセーヌ川へ落とされてしまう。さて、金庫の中身を楽しみに鍵穴を右に回して扉を開くドロン。しかしグローブが飛んできてノックアウト。「鍵には、左巻きってのもあるの」

タイトルの「コンゲーム」とは「Confidence Game(コンフィデンス・ゲーム)」の略で「詐欺モノ」のジャンルを意味するミステリー用語。しかし果たして「コンゲーム」と呼べる内容なのだろうか……?いつもの『ルパン三世』のようにも思えるのだが。それはさておき、ピンカートン(『蝶々夫人』?それとも「ピンカートン探偵社」?)、サンテの監獄、ゲストキャラクターの名前が「ドロン」と、実在の地名、人物名をモチーフにしたアイテム、場所、キャラクターを登場させているのが特徴的。冒頭のルパン、久しぶりに「泥棒」の顔になっており迫力が出ている。監獄からの脱出を目論む際、五右ェ門が斬り倒した監獄の壁が追っ手の警官隊を押しつぶす描写がコミカルながら少々怖い。カルロス一家と銭形以下警官隊が激しい銃撃戦に雪崩れ込む件は、『西部警察』などハードスタイルの刑事モノを手がける新井光らしい脚色。ドロンが不二子と組んでルパンを騙す(このあたりが「コンゲーム」?)展開は大体結末の予想がつく。カルロスは絶対強固かつトリックを隠した金庫を作るピンカートンとは正反対で文盲の馬鹿力。しかし、人質を取るといった卑怯な真似はしない、という気質。成り行き上カルロスを懲らしめるルパンだが、電流が流れた檻に閉じ込められたルパンと次元。助けるために五右ェ門が檻を斬るのだが、ならば最初からサンテの牢獄の檻も五右ェ門が斬れば良かったのに、というのは少々揚げ足取り過ぎか。独り占めに失敗した不二子さん、結局ルパン、次元と一緒にドロンから財宝を頂戴することに。金庫の鍵を回す方向によって中身が違うというトリックを最後の最後に持ってきたのはなかなか面白かった。ドロン役には納谷六朗。カルロス役には富田耕生。富田は青野武と並びパースリゲスト最多出演声優である。新井光が脚本に起用されたのは、同じく『西部警察』や後に『あぶない刑事』で一緒に仕事をする柏原寛司、宮下隼一、大川俊道あたりの紹介かあったからか。Bパート、五右ェ門の声は無し。更に不二子さんの目が死んでいる描写が多々有り。

ルパン三世 PARTIII Disc.9 [DVD]

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