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日本の片隅でひっそりと暮らすおじさんが書くブログ

MOTHER3

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さて、遂に終章も山場となってきました。リダにより世界の真実が語られるようになり、今回の事件の黒幕も遂に登場してきます。

(以下ネタバレ有り)

下水道〜この世界の真実

下水道に到着すると、様々なモンスターが襲い掛かってきます。「あのあれ」など少々近寄りたくないモンスターばかりですが、温泉もあるのでどんどん進みましょう。進んで行くと、無人アパートに到着します。ドアに新聞が何日分も突っ込んであるなど、寂れた様子の無人アパート。管理も行き届いていないようですが、その先には……ボニーがいました。ボニーによると、ヘコキムシが奥の方へ逃げてしまったようなのです。後を追うと、そこには爆弾に繋がる導火線のような縄にぐるぐる巻きにされたリダがいました。リダに話しかけるリュカ。タツマイリでは話しかけても何も答えずただ鐘だけをついていたリダ。しかし、彼はリュカの問いかけに答えます。

リダ
そうだよ、かねつき男のリダだ。驚いたろうね。

彼は重い口を開き始めました。リュカにこの世界の真実を伝えるために。



リダによる真実の告白

今まで長い間喋れなかったんじゃなくて、喋らなかったんだ。誰にも喋れないことを心に残したまま、クロスロードの鐘をずっとついていたんだ。だが、もう守り続けていた秘密は漏れ始めている。リュカ、今君に全てを伝えておく時がきた。これから私が話すことは、知りたくないことかもしれない。それでも、どうしても聞いてもらわなくてはいけない。

今まで生きてきた君たちの心を掻き毟るような話になるし、あまりにも語ることが多すぎる。そこで、話の内容を私の後ろで震えているヘコキムシさんに記憶しておいてもらうことにする。

世界の終わり

かつて「世界」と言うものがあった。この島の人々が考えている「世界」とは違う。「世界」はとんでもなく広かったんだ。「世界」にはこの「ノーウェア島」の砂粒全部よりもたくさん人々が住んでいた。想像もつかないかもしれないが、そういう「世界」と言うものがかつてあったのだよ。「世界」はある時滅びることになる。無論、滅ぼしたのは人間だ。いつかはそういう時が来ると、誰もが薄々想像はしていた。その時は本当にやってきたのだ。……だから、「世界」はもう無い。

白い船に乗って

「世界の終わり」の少し前、この島に「白い船」がやってきた。タツマイリ村の人々は、みんなその船に乗っていたのだ。そう、「白い船」に乗り込んでいたのは「世界」から抜け出したほんの一部の人間たちだった。船に乗っている人々はまだ前の「世界」にいる時の名前を名乗っていた…。「世界」が滅びる前から「白い船」の計画はあった。このノーウェア島という島は「世界」の一部でありながら特別な場所だった。ここだけ「世界」が失われても、必ず残る場所だったのだ。唯一生き残れる場所。この島に「白い船」はたどり着いたのだった。

ドラゴンとマジプシーたち

この島が特別なのは、島とほぼ同じ大きさの巨大なドラゴンがいることだった。かつて大昔、人々とドラゴンは共に生きていた。しかしいつの間にか人間たちとドラゴンは共に生きることができなくなった。そして、ドラゴンはこの島に大昔から住んでいるマジプシーという人々の祖先が7本の針を打って長い間眠らせておいたのだ。いつかドラゴンの力が本当に必要になる時まで起こさないようにマジプシーたちは針を守ってきた。ドラゴンはいつか起きる時まで大地の力そのものとしてひたすらに眠り続けていた。そして、地下深く隠されたドラゴンの巨大なエネルギーのおかげでこの島は「世界」の終わりから守られたのだった。

全てを忘れた人たち

白い船」に乗ってこの島にやってきた人々は再び「世界」が滅びることを何よりも恐れた。「世界」を滅ぼす原因が、これまでの自分たちの生き方の中にあったのではないかと考えたのだ。「白い船」の人々は散々話し合った。知恵を出し合い真剣に話し合った。そして、こういう結論になった。全ての人は前の「世界」の記憶を全部消して新しいルールと役割のもとに生きるということに決まったそうだ。つまりはみんなで考えた理想的な「物語」をみんなが演じて生きていく。そういうことになったのだ。人々は子供の頃に憧れた、素朴で平和な村を舞台にそれぞれの人生をやり直す。「世界」の記憶……自分の持っていたものや、自分たちを取り巻くルールなど全ての記憶を消し去って新しく生き残る。みんなが自分たちの古い記憶をリセットして新しく作った「物語」と取り替える。そうやってタツマイリという村が出来たのだよ。

ただ、記憶の入れ替えが行われたという事実を記録しておく必要があった。前の「世界」のこと全てと「白い船」の人々と全員の記憶をしまっておくための装置が、あの「ハミングバードのたまご」と呼ばれるものだったんだ。大きな危機が訪れた時、ドロボー役の「ウェス」とその息子の「ダスター」の行動がスタートすることになっていた。彼らはオソヘ城に隠しておいた、自分たち「白い船の人々」の秘密を取り戻しに行ったろう?

そしてもう一つ、私のことだね。全てを知っていながら一人だけ前の「世界」の記憶を残している「当番」のような役割の人間が必要だった。私だけがタツマイリという新しい村の新しい「物語」の中に役を貰っていない男だった。私のつく鐘の音はみんなの作り物の記憶を戻さないための「暗示」の役割をしていたんだ。私の名前の「リダ」とはリーダーという意味だ。いやいや、リーダーだからって大したものじゃない。ただ他の人たちと違ってこんなに背が高いからね。だから何かと目印になりやすいって、話し合いで決まったんだ。これだけ背が高いと、人々は何か私に尋ねたくなるだろう?本当に大事な時が来たら、私からこの「秘密」を聞き出すという決まりになっていたんだよ。

タツマイリ村」というのは現実でありながら元々は「物語」として作られた村だったのだ。信じがたいかもしれないが分かってくれたかな?

オソヘ城とクマトラ

オソヘの城の事も話しておこう。この島にかつてオソヘの王様を中心とした王国があったらしい。しかし私たちが「白い船」でやってきた時にはその人々はいなかった。いつかくるドラゴンの目覚めを恐れて島を出たということだった。クマトラ姫は「白い船」に乗り込む前にお父さんとお母さんを亡くしてしまった赤ちゃんだった。この島に来てからマジプシーたちが育ててくれるということになってオソヘ城のお姫様という役割に決まったのだよ。ウェスとダスターの親子が姫の家来だという事はみんなで作った「物語」だ。

あのオソヘ城はこの島にある数少ない大事な過去だ。急ごしらえで作った「物語」の中の人々には「過去」や「歴史」が極端に少ないんだよ。タツマイリの村では誰も100年や1000年の昔について語れるものはいなかったろう。「神話」やら「伝説」やらも本当はたっぷり作っておきたかったのだけれど……。大急ぎで作った「物語」だったので出来なかったのが残念だ。

多分、君達が聞きたくないことばかりを私は話しているのだと思う。しかし信じたくないかもしれないが本当のことだ。

ポーキーという珍入者

タツマイリ村の行く末がどうなるものなのか、本当のところは分からなかったがそれなりにうまく行っていた。「白い船」でやってきた人々はすっかり新しい人格にもなれてきていた。互いに仲良く平和に暮らしていたと思う。全てが狂い出したのは、時間と空間を越えてここに転がり込んできたポーキーというやつのせいだった。

やつはどうやらタイムトンネルという時間と空間を自由に行き来できるマシンを操っていたらしい。しかしどの時間どの空間からも閉め出されて今の時代のこの島に転がり込んだらしいのだ。悪いことにやつはタイムトンネルを使って他の時代のたくさんの人々をここに連れてきている。ブタマスクたちもそうだし、ニューポークにいるポーキーに連れて来られて「洗脳」されている人たちだ。ポーキーというやつはこの島を自分の我がまま放題ができる「おもちゃ箱」のように思っているらしい。動物たちは不気味に組み合わされキマイラに変えられていった。イカヅチタワーを作らせたり、軍隊を編成したりして子供っぽい独裁者として好き放題していくようになった。

ポーキーが「白い船」の秘密を知ってしまったのは、マジプシーの中に裏切り者がいたからだ。

ドラゴンの目覚め

マジプシーの中に一人だけいた裏切り者とは……まだ君達が会っていないはずの7人目のマジプシー・ロクリア。彼がポーキーの仲間になってしまったことで「白い船で来た人たち」のことも「眠れるドラゴン」の秘密もポーキーが知るところとなってしまった。ポーキーはドラゴンの針を抜き目覚めさせてその力を自分のために使おうと考えた。ドラゴンは大地そのものの力。封印の針を抜く者がドラゴンの主となるという。しかしドラゴンの針を抜ける者は極限られた人間。針を守り続けてきたマジプシーたちにもポーキーにもその力は無いらしい。なのに針は抜かれ始めている。ポーキーに操られていながらドラゴンの力を従えさせられる誰かがいたということだ!

……もうポーキーの悪ふざけなどでは済まされない。「世界」は改めて徹底的に破壊されつくされ……その全ての最期を迎えることになるだろう。ポーキーにとって、それは最高の快感なのだろうが、そんなことを許すわけにはいかない。最後に残った私達数少ない人間たちがそんな事を許して良い筈がない。リュカ君はドラゴンの封印の針を抜ける選ばれた人間らしい。闇のドラゴンの針は君の手で抜いて君の心をドラゴンに映し出してくれ。これは私のただ一度だけ、リーダーとしての命令とさせてくれ。

ドラゴンの針はどうやらもう既に6本抜かれているという。大地の下に眠っていたドラゴンはもう目覚めかけていることだろう。最後の針が、どうやらこのニューポークシティーのどこかにあるらしいのだ。ポーキーはその最後の針を抜くときのためにこの島のあらゆる生き物をこのニューポークシティーに集めている。彼の悪意に満ちた最後のパーティーの演出なのかもしれないな。だが、この最大のピンチを最大のチャンスに替えるべき時が今なのだ。何もかもが終わる時かもしれないが、新しい豊かな何かが始まる時かもしれない。そうしたい……じゃないか。

リュカ、思えばひ弱な少年だった君にとんでもない役割が与えられてしまったね。こうして聞きたくないことも含め全てを知ってしまった君が、生き物達の未来の全てを救い出す人になるんだ。……「重すぎる荷物を神様は背負わせないものだ」そういう言葉を聞いたことがあるだろう。君だけで戦うんじゃない。みんなが、みんな、みんなが手助けしてくれる。

長かったけれど、私が君たちに伝えるべきことはここまでだ。


非常に衝撃的な事実です。いや、リュカたちに、この内容を事実だと受け止めるだけの余裕はあったのでしょうか?既に本当の世界自体は自分たち人間たちの手によって滅んでおり、タツマイリ村に集まってきた人々は全員「世界」から逃げ延びてきた人々で、記憶操作で偽りの「役割」を与えられ生活していた……。今までマークしてきたキャラクターのセリフ

http://d.hatena.ne.jp/umikaze/20060506/p1

http://d.hatena.ne.jp/umikaze/20060507/p3

これらが、この「世界の真実」に全て繋がってくるわけです。確かに、有事だから「生き方を変えなければならない」し、元々他人同士の生活だから「この村の家族って あんまり顔が似てない」わけです。更には、お金といった利害に係わる社会構造を一切廃し、世界滅亡からの教訓により対立が生まれないような人間関係を築くため、物々交換や「役割」を決められた人々の助け合いによって社会が成り立つよう工夫して生み出されたのがタツマイリ村だったのですね。しかし、ポーキーたちがこの世界に「珍入」し、様々な世界の人間が流れこみ、ポーキーたちの世界の「常識」を押し付けられたタツマイリの人々。「しあわせの箱」に代表される誘惑に踊らされ、更にリダが誘拐されたことが原因で

http://d.hatena.ne.jp/umikaze/20060508/p4

「リダとはなんぞや? 思い出そうにも思い出せず 夜も眠れぬありさま」と元々の村民の暗示が解けかけていたのでしょう。そして、ポーキーはこの村の生き物を改造し私物化して弄びます。一章で登場した改造された「メカドラゴ」もその一つに過ぎません。

http://d.hatena.ne.jp/umikaze/20060811/p1

「おばあちゃんは本当はタツマイリを出たくなったの でも一人残らずここに集まるってことになって……」ドラゴンを封印から解き放ち、自分の力にしようと企み、この世界全ての命が消える瞬間をワクワクしているに違いありません。そして、自分はタイムトンネルを使って安全に違う空間へと逃げ込むつもりなのです。

しかし、クマトラ姫が一人残された赤ちゃんだったとは。クマトラはその事を聞いてどう感じただろうか……。

さあ、この「世界の真実」を聞かされたリュカたちは、ヘコキムシさんを連れて下水道を脱出し、ポーキーのもとへ乗り込むことを決意します。しかし、その行く手を阻むのはヨクバ。ヨクバは「ミラクルヨクバ」としてリュカたちの前に立ちふさがります。戦闘が始まったら、シールドを「シールドとりがみ」で剥がしましょう。「とっしん」「不協和音攻撃」などで攻撃をしてきますが、ある程度こちらがダメージを与えると、憎しみに満ち溢れ「本気」を出してきます。ここからヨクバはPSIを交えた攻撃を展開。「サイコシールド」「PKフリーズΩ」「オフェダウンΩ」など強力なPSIを使用し、「こうきゅうバナナ」で約550ポイントのHPを回復するなど、一気に手ごわくなりますので、回復を怠らないように戦いましょう。戦いに勝つと、ヨクバは「こんな戦いは嫌だ。こんな事は遊び。ポーキーの遊び」と言いながら、下水道を流れ死亡します。ん?どうしてヨクバがPSIを使えるのだろう?

さあ、いよいよポーキーがいる本拠地、エンパイアポーキービルへと舞台は移ります。