脚本:浦沢義雄 絵コンテ:甲賀電(尾鷲英俊) 演出:飯田つとむ(飯田馬之介) 作画監督:尾鷲英俊
メキシコのテキーラ財団会長マダム・テキーラが所有する「メヒコの黒豚」が今回のターゲット。警備にはもちろん銭形警部があたる。次元とコンビを組んだルパンはテキーラ邸への潜入を試みるが幾度となく阻止される。その働きを見込んだテキーラは、何と銭形警部を養子にすると言い出した。テキーラが、ルパンにわざと盗ませた「メヒコの黒豚の偽物」で得た保険金100億ドルを目の前に心が揺らぐ銭形だが、「本物のメヒコの黒豚」と保険金の両方を頂戴しようと現れたルパンに懲らしめられたテキーラ、パニくって自爆して屋敷ごと大炎上。メヒコの黒豚はただの石炭に、そして銭形は「養子になって」とテキーラに追われながらメキシコを後にするのだった。
『バビロンの黄金伝説』の曲がふんだんに使われ、「銭形警部のテーマ」の別バージョンも登場する。作品が延長していたら、この後の作品はバビロンの曲が彩ったんだろうな。今回は不二子、五右ェ門が欠席のため、ルパンと銭形の追いかけっこがメイン。珍妙なメカも登場するが、銭形の作戦が幾度となく的中し苦戦するルパンの姿は久しぶり。マダム・テキーラは大リーグボール3号のフォームで鉄球を投げる豪腕女傑。そんなテキーラに見込まれた銭形、逃げおおせるわけがない。最終的に、誰も得にはならなかった今回。次元も思わず「あいつとはもう組まねえぞ」。原画はOH!プロのいつもの面々(川崎博嗣、あべどん、福田忠、飯田つとむ(飯田馬之介))に加え、清水洋と高坂希太郎が参加。高坂希太郎は『バビロンの黄金伝説』とこの後の最終回にも参加しているので繋がりがあるが、清水洋はスポット参戦。現在マッドハウスで活躍する彼も、この時まだ20歳。テキーラ役は喜劇女優の桜京美。秘書役は北村弘一。