脚本:松原佳成 監督:高坂光幸 ゲスト:江幡高志 原口剛 勝部演之
過労と風邪で倒れたお艶(山田五十鈴)だが、唐十郎(沖雅也)からの次の仕事に取り掛かる。甲州猿橋宿近くの湯治場では流行病「痘瘡」にかかった患者が紛れ込んで大騒動。この患者は江戸で商売をする男で、湯治場全体を買い取ることとなった。絵から赤く浮かび上がったのが3人の男であったことから、宿の台帳を調べると「日本橋絹問屋上州屋」と架空の名前を名乗った金銀地金問屋の黄金屋幸兵衛(江幡高志)の名前が浮かび出る。甲州と地金問屋の結びつきは、採掘される「金」しかない。この金のおかげで甚五郎という農民が殺されていること、金を価値あるものにするためには精錬しなければならないこと……お艶たちは甲府金山の奉行所を探ることに。
猿橋の吹所には冬木大作(中村孝雄)と吹所支配・守口玄蕃(原口剛)がおり、冬木は奉行である神尾主膳(勝部演之)と頻繁に連絡を取り合っていた。実は冬木は江戸の勘定奉行所より派遣されてきた隠し目付であり、妻の八重(原田英子)と共にその任務に当たっているのだ。守口とその配下は黄金屋と組んで金の鉱脈を独占、発見した甚五郎を抹殺。隠し金山を設けて利益を得ようと画策する悪党であった。もちろん、黄金屋の痘瘡は仮病で、隠し金山を発掘するため周囲一体を立ち入り禁止にするための芝居だった。お艶と宇蔵(芦屋雁之助)が痘瘡を患ったフリをして湯治場へ潜入したちょうどその時、冬木は守口らの企みを暴き、急ぎ神尾に報告。しかし神尾に殺されてしまう。この事件の黒幕こそ、奉行である神尾本人だったのだ。更には八重までもが殺され口を封じられてしまった。お艶たちは恨みを晴らすために神尾一味と黄金屋の命を狙う。
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冒頭お艶が倒れこむシーン。眠るお艶が見た夢は、第5話、第6話での殺し。殺しの業は眠っていても付きまとう。さて今回のお話は、金脈を偶然見つけた農民・甚五郎が江戸の黄金屋に鑑定を持ちかけたところ本物と判明し、その金脈を独り占めして利益を得んと甲府金山の役人たちを巻き込んでの悪巧み。甚五郎は消され隠し金山を掘るにあたり周辺に住民を侵入させないよう黄金屋が痘瘡を患ったフリをして辺り一帯を立ち入り禁止にして安全に金を採掘しようというわけだが、そこには隠し目付がいて……。
お艶と宇蔵、痘瘡患者夫婦を装い潜入。これには黄金屋のほうが驚きを隠せない。お艶にしてみりゃ、仕事を果たすのと疲れた体を癒すことができ、まさに一石二鳥ということか。分解式の仕込み三味線はこういった潜入時にも役立つようだ。目付の冬木、剣の腕前は素晴らしく守口の配下や黄金屋の番頭などバッタバッタと斬り倒していくのだが、奉行に不意打ちを喰らって憤死。目付自身奉行が一枚噛んでいたとは見抜けなかった。
「甲州犬目峠」
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難所の急坂犬目峠。この作品では、先を行く2人の内後ろを歩くのが甚五郎、後から馬と一緒に歩いてくるのが黄金屋幸兵衛と番頭の二人組、という設定で作られている。