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日本の片隅でひっそりと暮らすおじさんが書くブログ

必殺仕切人 第6話「もしも惚れ薬と眠り薬を間違えたら」

勇次(中条きよし)が夜釣りで偶然知り合ったのは、松尾藩士で御膳試合連勝街道驀進中の剣豪・結城誠之助(大場順)。何者かの陰謀で利き手である左手を負傷してしまうも今回の試合も勝利。
さて、その誠之助の妻・綾乃(いわさきみゆき)に目を付けたのが藩主・由布施石見守大学(浜田晃)。庶民の間では名君の誉れが高いが、その裏では大国屋(日高久)を仲介にして麻薬の密売を行っていた。その悪事に薄々気付いていた誠之助は藩を抜け浪々の身となる。
綾乃に執着する大学は誠之助のライバルであった佐々木和馬(大竹修造)を麻薬中毒にし、無理矢理果し合いを行う。瓦版屋が大勢見守る中、誠之助は和馬が麻薬に侵されていることを看破し相討ちに見せかける方法で死を迎える。勇次に綾乃とお腹の中にいる子供を託すも、綾乃は事の次第を勇次に託し、大学の目の前で自ら命を絶った。

必殺仕切人/必殺仕事人V [VHS]

必殺仕切人/必殺仕事人V [VHS]

サブタイトルの「惚れ薬」と「眠り薬」の件は、お清とヤリたいスキゾーが媚薬を、お勝の性欲を抑えたい勘平が眠り薬を、それぞれ間違えたことで起こるコメディパートのこと。なお、この回より新吉の髪型が変わる。

さて本編。さすがの剣豪・誠之助、勇次が只者でないことを見抜くもそこを追及せず。子犬を助けるために利き手を負傷するが、それでも強さに陰り無し。綾乃をいただくのに誠之助が邪魔な大学。正攻法ではなく麻薬を使った卑劣な手段に出る。麻薬患者の恐ろしさを表すシーンがあるのだが、刃物を振り回し意味不明なことを口走る中毒患者を演じるのがエクランの大ベテラン・東悦次。怖すぎるのだが本人はノリノリ。

麻薬の力で見境が無くなった和馬。御膳試合では誠之助の利き腕のケガを庇うかたちでの戦いぶりであったが、その思いやりも消え失せ麻薬の力で暴徒と化す。斬り捨てては友の名誉にも傷が付くと相討ちして果てるのだった。綾乃もそれに続く。勇次に真相を告げたのは、拾った子犬・シロ。遺書の中に「恨みを晴らしてください」の文字。恐らく誠之助は勇次を仕切人だと看破していたのだろう。

相変わらず導火線の火が消えそうになる危なっかしいスキゾーのダイナマイト。勘平の殺しが一見馬鹿らしいが何気に残虐で良い。

キャスト

お国:京マチ子/新吉:小野寺昭/お清:西崎みどり/日増:山本陽一由布施石見守大学:浜田晃進/お勝:ひし美ゆり子/結城誠之助:大場順/佐々木和馬:大竹修造

勘平:芦屋雁之助

片岡刑部:鈴木淳/大国屋:日高久/弥七:河野実/仙十郎:美鷹健児/柔の師範:森下鉄朗/瓦版屋:松尾勝人/職人:東悦次

綾乃:いわさきみゆき/勇次:中条きよし

スタッフ

脚本:篠崎好/監督:八木美津雄