アクションスター兼ロー映画会社社長、ウォン・ローの正体はメガノイドのコマンダー。映画人の意地で万丈との対決をフィルムに収めようとするのだが……。
レイカとビューティまでもがお熱を上げるイケメン映画スターのウォン・ロー。映画の中で人間のエキストラを蹴り殺すなど残虐な行為を行う彼だが、そんな彼がメガノイドだとは誰も知らない。功夫を駆使するウォンに対し、万丈はビームサーベルで対抗するがその腕前は互角。ウォンはメガボーグに、万丈はダイターンを呼んで対決は佳境を迎える。一方、ウォンのマネージャーはウォンの戦いをドン・ザウサーとコロスに報告。ドンはこのやり方に怒り、コロスも「趣味で戦っているのではない」と一喝。マネージャーに指揮権を与えデスバトルで戦いに割り込むのだが、ダイターンとウォンの二人がかりで撃墜されてしまう。
ウォンが映画の中で万丈と決着を付けたかった理由は、自分自身が「本物のアクションスターではなかった」から。ウォンは自分がトップスターに登り詰めることができたのは、メガノイドになることによって与えられた人間以上の力によるところが大きかったからで、小さな頃からの夢だったトップスターの座を自分の力で得られなかった……むしろメガノイドという機械の力を借りてでしか成し得なかった自分に対しての後悔の念が残っていたのだ。だからこそ、スクリーンの中で本物の自分を曝け出した上で、ダイターンとの対決を以って幕を閉じたかったのだ。ウォンの死を覚悟した最後の対決に万丈も一度は救いの道を差し示すも、彼の意図を汲んで撃ち込んだサン・アタックによってウォンは死んでいった。この映画が公開され大盛況となるのを横目に、複雑な表情を浮かべる万丈であった。
サン・アタックの一瞬のレーザーによって青龍刀を粉砕するなど、アクションシーンも凝っている。また、監督のイスに富野としか思えないような人物が座っている。
余談
8話、9話、そしてこの10話を見て感じたのだが、メガノイドになった人間たちはある種のコンプレックスを抱えていた者が多い。その一方で、非常に素晴らしい感情や性格を持ち合わせているわけだが、何らかの境遇や事態によって、たった一つのコンプレックスが刺激を受けて増大してしまい、自分自身の本当の良さや魅力に気付く間も無く、メガノイドへの道を歩ませているようにも思う。そして、彼らはメガノイドになった後になってようやく自分がメガノイドになったこと(人間で無くなったこと)に後悔し始め、結局そのコンプレックスを払拭することが出来ずにいる……といった傾向が見て取れた。
メガノイドとは、本当は人間以下の存在。万丈の言葉も頷ける。今後のストーリーも楽しみだ。
セリフ
ウォン「やるな万丈。さすがだと褒めてやろう。火星から尻尾を巻いて逃げ出した子供だと思っていたのが、間違いだったようだな」 *万丈はこの噂を否定するのだが……。元は火星にいた?ならばドン・ザウサーとコロスとの関係は?
ウォン「私は……コマンダーとして貴様と戦うのではない。え、映画の中で格闘技の極めつけを見せたかったのだ……。自分の力で、アクションスターの座を手に入れたかった!だがどうだ。私はメガノイドの力を借りてスターになった。わ、分かるか万丈。メガノイドの力でスターになったこの虚しさが。子供の頃からの夢がこんな形で……。止めんよ……私はコマンダー失格者だが、エンドマークの入った極めつけのアクション映画を遺していかねばならんのだよ。例え筋書きが変わったとしてもな……」
声の出演
破嵐万丈:鈴置洋孝/三条レイカ:井上瑤/ビューティタチバナ:水野カコ/トッポ:白石冬美/ギャリソン時田:北村弘一/コロス:信沢三恵子
ウォン・ロー:曽我部和行*1/マネージャー:石森達幸/黒衣の男:岡田道郎*2/カメラマンA:長堀芳夫*3/カメラマンB:竜田直樹*4/カメラマンC:戸谷公次/女の子A:中野聖子/女の子B:つるたきみこ
スタッフ
脚本 | 星山博之 |
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絵コンテ | 斧谷稔*5 |
演出 | 貞光紳也 |
作画監督/原画 | 山崎和男*6 |
作画 | 笹木寿子/清原則子/高田智子 |
美術 | メカマン |
背景 | アート・テイク・ワン |
動画チェック | 柏田智子 |
仕上 | シャフト/西牧たみ子/富井太 |
特殊効果 | 土井通明 |
タイトル | 多々良正春 |
撮影 | 旭プロダクション |
編集 | 鶴渕友彰/小谷地文雄 |
現像 | 東京現像所 |
音響監督 | 松浦典良 |
効果 | 松田昭彦 |
整音 | オーディオ・プランニングU |
録音 | 整音スタジオ |
制作進行 | 真野昇 |
設定制作 | 鶴見和一 |
アシスタントプロデューサー | 神田豊 |
制作 | 名古屋テレビ*7/創通エージェンシー/日本サンライズ*8 |
次回予告
突然僕たちに助けを求めてきたデスラーとは何者か。巨大な戦車が甦る。メガノイドの新たな作戦が開始される。だが、肝心なときにダイタンクはダイターンに変形できなかった!次回、無敵鋼人ダイターン3「伝説のニーベルゲン」に、カムヒア!