火星からの脱走者・ミナモトの危機に真っ先に駆けつける万丈。父・波嵐創造の助手であったミナモトは、今ではメガノイド製造の第一人者となっていた。彼が作り上げた究極のコマンダー・スペシャル1号の危険性を知らせるため、命を賭して万丈に接触するミナモトだが……。
ゲストに永井一郎を迎えた今回のお話は、メガノイドを「作る側」と万丈の過去が垣間見える内容となっている。波嵐創造の助手であったミナモトは、人間をメガノイドに改造する作業を行っていたため、人間でありながらも死なずに今日まで生きてきた。ところが、ドン・ザウサーの指令に逆らわない、忠実なメガボーグ「スペシャル1号」を作り上げたことに恐怖を感じ、万丈へ接触を試みたのだ。
これまでは、確かに自らの欲望や考えによって万丈と対峙するメガノイドが多かった。自らがメガノイドとなったことを後悔するもの、メガノイドになっても人間の心を捨て切れなかったもの、メガノイドでありながら愛を覚え人間と同様に暮らすことになったものなど、「人間の心を捨て、人間以上となったサイボーグ」とは思えぬほど人間味を持ち合わせたメガノイドが多数登場した。しかし、今回のスペシャル1号は、それら感情は一切持たず、ドン・ザウサー(コロス)の忠実な僕として、その命令を冷酷に実行に移す「ロボット」なのだ。
スペシャル1号の力にさすがの万丈も苦戦をするが、スペシャル1号の高エネルギーを逆に利用したサン・アタックで止めを刺す。メガノイドによって捕らえられたミナモトはデスバトルで火星へと連れ戻されるはずであったが、メガノイドを作ることを拒絶しメガノイドに反乱を起こす。ソルジャーを全滅させ、疲れ果てたまま一人銀河の果てへと旅立っていく。火星でメガノイドが反乱を起こした際、自分を庇い地球脱出の時間を作ってくれたミナモトの姿を思い出し、涙を流しながら見送る万丈であった。
セリフ
ミナモト「君のお父さん、波嵐創造がサイボーグを作った目的は、正しかったのだ。間違いは、サイボーグたちが自分たちの力に自信を持って、人間に歯向かうようになるとは思わなかったことだ」
万丈「そ、その父の考えに、足らなかった点に責任を感じるからこそ、僕は戦ってるんです」
ミナモト「俺は、君のお父さんの後を継いで、本当のサイボーグを完成させようとしてきた。ところがどうだ、メガノイドも同じことを考えていたんだ。今までの敗北は、コマンダーが自分の欲望のまま、戦っていたからなんだ。そこで、俺の目指していた、人間と協調できるサイボーグの原型を使ってドン・ザウサーに忠実に奉仕するサイボーグを作った。……その第一号が完成したとき、俺は恐かったんだ。それで、俺は脱出してきた。が、皮肉なことに、俺を追ってきたコマンダーこそ……あいつだ、コマンダー・スペシャル1号なんだ。しかし、ヤツはサイボーグではない。むしろロボットだ。ドン・ザウサーのな……」
スタッフ
脚本 | 星山博之 |
---|---|
絵コンテ | 藤原良二 |
演出 | 藤原良二 |
作画監督/原画 | 田島実 |
作画 | 石垣真弓/安部恵子/塚本篤 |
美術 | メカマン |
背景 | アート・テイク・ワン |
動画チェック | 柏田智子 |
仕上 | シャフト/長谷川悦子/古安多恵子 |
特殊効果 | 土井通明 |
タイトル | 多々良正春 |
撮影 | 旭プロダクション |
編集 | 鶴渕友彰/小谷地文雄 |
現像 | 東京現像所 |
音響監督 | 松浦典良 |
効果 | 松田昭彦 |
整音 | オーディオ・プランニングU |
録音 | 整音スタジオ |
制作進行 | 滝口雅彦 |
設定制作 | 鶴見和一 |
アシスタントプロデューサー | 神田豊 |
制作 | 名古屋テレビ*2/創通エージェンシー/日本サンライズ*3 |
次回予告
月に向かったビューティ号を、巨大なマグネットアンカーが捕まえる。二人の部下を従えた、コマンダー・バンチャーの命を賭けた作戦とは何か?今、巨大な歯車がその姿を現した!次回、無敵鋼人ダイターン3「地球ぶった切り作戦」に、カムヒア!