キッザ山で相次ぐ遭難事件。調査に向かった万丈は、そこでコマンダー・ラディックが待ち受ける音楽世界へと迷い込んでいく……。
遂に登場……シャア・アズナブルこと池田秀一の出番である。アニメ声優としてのデビュー作なのが今回のお話だが、割り当てられたのは、やはりキザでプライドの高いキャラクターであったのは何かの因縁か。富野節の台詞回しも板についているように聞こえるのは、ガンダムシリーズを見た後ならば不思議と得心が行く。
人間をソルジャーに改造すべく、キッザ山にやってきた若者を音楽で洗脳させコロスに送り届ける任務のラディック。送り届けると同時に大量の花束と自作の曲を贈るのだが、コロスはそんな花束を一瞬にして枯らせてしまう。メガノイドにとって、生きた植物などは必要が無いのかもしれない。
少しでも演奏を失敗した人間を簡単に殺してしまうほどの冷酷さはメガノイドならではだが、レイカやビューティ、トッポを人質にされ火あぶりにされているにも関わらずコマンダーを倒すことだけを考える万丈の非情さにも目を見張る。しかし、ドラゴンの灼熱の炎を喰らっても衣服が焼け落ちるだけで、生身の体は無事だとは……。万丈の体は極寒にも灼熱にも耐えうるというのか。
「どうせ私たちなんて必要ないんでしょ!」と不貞腐れるビューティと、それをなだめることに失敗した万丈の大喧嘩の最中、一人コーヒーの味に不満を呟く飄々としたギャリソンが良い味を出している。
セリフ
ラディック「だから待つのだよ。破嵐万丈……どれほどの男か見届けた上で倒す。この地の想い出にな。……ふふふふ、素晴らしいよ、破嵐万丈。……万丈……万丈……破嵐万丈……私はお前のファンになった……」
万丈「それほど心優しい人間でもないんでね」*味方を人質に取られ火あぶりにされているにも関わらず、“頭の中はコマンダーを倒すことだけを考えている”と平気で口にするのであった。
ラディック「ふふふふ、ますます気に入ったよ万丈。そのお前の非情さがな。その冷たさは芸術品だよまさに」
スタッフ
脚本 | 星山博之 |
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絵コンテ | 山崎和男*2 |
演出 | 藤原良二 |
作画監督/原画 | やしろかずお |
作画 | 中村志保/矢島千恵/清原則子 |
美術 | メカマン |
背景 | アイ・プロ/三浦智/小板橋康恵 |
動画チェック | 柏田智子 |
仕上 | ディーン/満江敬雄/須崎誠 |
特殊効果 | 土井通明 |
タイトル | 多々良正春 |
撮影 | 旭プロダクション |
編集 | 鶴渕友彰/小谷地文雄 |
現像 | 東京現像所 |
音響監督 | 松浦典良 |
効果 | 松田昭彦 |
整音 | オーディオ・プランニングU |
録音 | 整音スタジオ |
制作進行 | 今井広美 |
設定制作 | 鶴見和一 |
アシスタントプロデューサー | 神田豊 |
制作 | 名古屋テレビ*3/創通エージェンシー/日本サンライズ*4 |
次回予告
メガノイドが送り込んだ華麗なるコマンダー、ジミー・ディーン。全世界の映画スターを人質に取り、万丈に敗北を迫る。しかし、その二人の対決の裏の深き陰謀……次回、無敵鋼人ダイターン3「スターの中のスター」に、カムヒア!