海底記録映画の製作で有名なフランス人、ジャン・ルイ・セロー博士の調査船に乗り込んでいる綾乃からのボディーガードの依頼。彼女は自分がなぜ狙われるのか分からなかった。
船上レストランのシーン「GIVE ME YOUR LOVE TONIGHT(歌:鈴木聖美)」、海上での銃撃戦のシーン「HOLD ME TIGHT(歌:Red Monster)」。
大きなお尻が魅力の綾乃、シャイな性格を克服しようと大胆なハイレグを着こんで一人ホテルのプールで泳いでいるところに、偶然冴羽が通りかかる。そこへ突然謎の男たちに襲われる綾乃を助けたまでは良かったが、なぜかそこに冴子の姿が……?というわけで、今回も冴子の事件に知らず知らずのうちに首を突っ込むことに。
綾乃は冴羽に最初から好意を抱いているようだし、ジャン・ルイ・セロー博士も冴羽に負けず劣らずのプレイボーイで、その威光に冴羽もタジタジ?そんなセロー博士は香をお気に入りのご様子。
さて話自体は、ヒロインが心を開いて冴羽を好きになり、事件を解決するといういつものパターン。とにかく構成や演出がスムーズではなく、綾乃がなぜ狙われているのかがまったく説明されていないし、そのヒントすら乏しいためにメリハリが効いておらずテンポも悪い。狙われている内訳も、取って付けた様な国際的犯罪組織・ブラックウイドゥが、綾乃の身に付けているアクセサリ(産業スパイが遺したマイクロフィルムが入っていた)を狙っていた、という何とも単純なもの。綾乃がセロー博士の実の娘だった、というオチもまったく活きていない。まあ、この辺りになると既に冴羽とヒロインのロマンスが中心で、そこに絡む事件や犯罪組織などといったものはあまり重要視されなくなってくるわけだが。
今回の作画監督は、シリーズ初期から谷口守泰作監回(アニメアール回)に原画として参加し続けてきた逢坂浩司が担当。シティーハンターシリーズで初めて作画監督を担当することになるのだが、カットごとにキレのある作画がいくつか散見されるものの、全体的に見て北原作監回や神村作監回に比べ非常に劣ったものに感じられた。冴羽たちがセロー博士の船に初めて乗り込んだ時の、逢坂修正によるセローの優しいカットなどについては及第点だが、細かいシーンなどは総作画監督である北原健雄が自ら修正を施しているようにも見える。アクションシーンもいまいちキレがなく残念。
セリフ
香「冴羽商事の財政は、客を選んでらんない状態なの」
ジャン「彼女の恋人は海なんだよ。彼女は海に恋する以外方法を知らない。だから、いざとなると防衛本能が男を遠ざけてしまう」
綾乃「冴羽さん、今、私にキスを……」* 大原緑の時と同じ展開
次回予告
香「助手を雇うなんて、仕事も無いのに大したもんだ」
冴羽「無理矢理頼み込まれちゃったんだよ。瞳ちゃん、探偵に憧れてるんだって」
香「だからってミニスカートはかせる必要があんのか?このモッコリ大将め」
冴羽「実は彼女、ある事件に巻き込まれていたんだ。だから力になってやんなきゃ、香先輩?」
香「先輩!?ホッホッホッホ、私に任せなさい!」
冴羽「よぉーし、大船に乗ったつもりでまっかせない!」
冴羽「シティーハンター3『獠って何者?女子大生もスリルにメロメロ』」
香「見ないと、メロメロよ?」
スタッフ
脚本 | 平柳益実 |
---|---|
絵コンテ | 今西隆志 |
演出 | 今西隆志 |
作画監督 | 逢坂浩司 |
原画 | 吉田徹/小川瑞恵/南伸一郎/北尾勝/杉山嘉苗/南黒沢由美/川島由美子 |
動画 | 山本みどり/島田悌三/四本忠司/上野恩/廣田知子/スタジオ・天/スタジオ・たくらんけ |
動画チェック | 石井康雄 |
色指定 | 深田早苗 |
仕上 | スタジオディーン/新井こずえ/佐藤典子/手塚悦子/青木利栄/奈良原美幸 |
特効 | 千場豊(マリックス) |
背景 | スタジオ・イースター/矢島洋一/北川晴美/高橋智子/影山誠哉/飯島寿治 |
撮影 | (株)旭プロダクション/長谷川洋一/大神洋一/薮田順二/土岐浩司 |
編集 | 鶴渕映画 |
タイトル | マキ・プロ |
効果 | フィズサウンドクリエイション 松田昭彦 |
録音スタジオ | APUスタジオ |
整音 | 柴田信弘 |
音響制作 | オーディオ・プランニング・ユー |
現像 | 東京現像所 |
メカニカルデザイン | 小原渉平 |
文芸設定 | 稲荷昭彦 |
制作助手 | 外池葉子 |
色彩設計 | 中山しほ子 |
仕上助手 | 新垣純子 |
製作担当 | 望月真人 |
制作デスク | 池部茂 |
制作進行 | 河口佳高 |
*1:石井康嗣