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日本の片隅でひっそりと暮らすおじさんが書くブログ

機動戦士ガンダムΖΖ 第5話「ジュドーの決意」


シャングリラでジャンク屋を営むゲモン・バジャックが自分で設計したモビルスーツ・ゲゼを伴ってアクシズ軍に自分自身を売り込みに来た。シャングリラの住民との絆を深めようとの理由から、マシュマーは彼をスカウトしてしまう。
珍しく学校に出席したジュドーたちだが、その学校をゲモンが襲い始めた!ファが乗ったΖが出撃するが、整備不良の上にパワーの調整が難しくゲモンのゲゼに押されっぱなし!パイロットがジュドーに交替してもピンチは続くが、ゲゼには決定的な弱点があった……。

新キャラ・ゲモンが登場。ジャンク屋を営むところからジュドーとご同業なのだが、何と自分でモビルスーツを設計してしまうというとんでもないお人。天才じゃん。まるでシロッコじゃん。その彼が、「アーガマを倒すのを手伝ってやる」とマシュマーに持ちかけてきたから悩みどころ。ところが、ここでもまたハマーン様のお言葉が口を出し、挙句ゲモンを仲間にしガザCの部隊を随伴することを許可してしまう。

一方、ジュドーをテストパイロットにスカウトするファ。しかしジュドーにそんな気はまったく無く、珍しく学校に通うことに。そう、今回はジュドーたちが学校に通うというシーンが盛り込まれているのです。ジュドーとイーノは同級生であることも分かります。「プルとアクシズと C-5A」がバックに流れる下町のカットを散策するファなど、日常生活みたいなものも少しだけですが窺えるし、今回はΖΖワールドの舞台を少しだけ深く掘り下げている回になっております。そして、死神博士みたいな格好に落ちぶれたヤザンの姿も!

さて、学校に付いてきたシンタとクムが学校のライン引き器で「ΖG」と校庭に書いたからさあ大変!それを見たゲモンは「Ζの挑戦状だ」と勘違いして学校を占拠してしまいます。これには、随伴のゴットンも呆れ顔。ジュドーたちによって散々おちょくられてブチギレたゲモンは、ジュドーたちを屋上に追い詰める。ゲモンの声が不愉快だったのか、ファをパイロットにΖの出撃を命じたブライト。一方、屋上に追い詰められたジュドーたち。シンタ、クム、リィナが「Ζガンダムぅ〜」と叫んで助けを呼ぶ。「そんな都合よく来るわけないだろ」とジュドー。でも来ちゃうのがガンダムΖΖジュドーもモンドーもぽかーんである。

Ζとゲゼ。いくらファがパイロットとはいえ、性能差は歴然としているはずなのだが、コロニーに被害を出さないためのパワー調整が上手くできないファは、操縦に迷いが出てしまう。それを見ていたジュドーは「思い切りの悪いパイロットだなあ」。ゲゼの電流が流れる棍棒の直撃を喰らったファはそのまま昏倒。ジュドーたちの機転で一時的に時間稼ぎをするものの、ジュドーがΖのコックピットにぶら下がっているまま格闘戦を続けるファ!ジュドーが操縦するにあたり椅子にされてしまうファだけど、ここからはジュドーパイロット交替!降ろされたときのファのアクションが非常にコミカル。

ボクシング対決となったモビルスーツ戦だが、ゲモンのゲゼには決定的な弱点が……。それは、コックピットが回転式になっていること!コックピットがくるくる回るものだから、自分の目がぐるぐる回ってしまうという仕組み。弱点というより欠陥だな。懲らしめられたゲモン、「エンドラの大将(=マシュマー)に頼まれた。脅かされた」と嘘八百を並べて遁走。アクシズ軍への怒りを募らせるジュドーでした。

今回は恩田尚之作画監督を務めているおかげで作画のレベルが非常に高い。原画も優秀なメンバーが揃っているのだが、それ以上に作画も演出もノリノリでハイテンション。見ているほうも気持ち良いくらい。ファの作画が特にかわいく仕上がっているので、ファのファンは必見の回。なお、Ζガンダムがボクシングをしたりヤザンがマンホールに嵌ったりしているふざけた回ですが、富野由悠季がコンテで参加している回ですので、これは富野公認の演出です。悪しからず。

セリフ

ゲモン「このゲモン・バジャック様があんたの手助けをしてやるってんだよ。このゲゼでΖガンダムをやっつけるのさ。そうすりゃアーガマなんてお前らで何とでもできよう。俺はこのコロニーでジャンク屋をやってる。このゲゼも俺が作った。腕は確かだ。アクシズをゼダンの門にぶつけたって話を聞いてから、あんたたちのファンになっちまってね。でかいことをやるのが、俺は好きでね」

マシュマー「いいな、我々はコロニーの住民とお友達になる必要がある。それがハマーン様のお考えなのだ」*「またハマーン様ですか……」byゴットン

ゲモン「このガキども……許せん!ゲゼ二機作った銭を回収せにゃあ。起きろ!我がゲゼよ!俺のゲゼを馬鹿にするやつは絶対に許さん!親が頭を下げてきたって知らねえからな!」

哀れな子羊・マシュマー編

前半部分のコメディパート。あぐらをかいて薔薇の香りを嗅ぎながら空中で思案するマシュマーや、マシュマーの聞いてはならない独り言を聞いてしまったゴットンのリアクション、バックに流れる劇判「戯れた内通者 F-4」など、ΖΖワールド全開である。

マシュマー「ガザCを二機も出せば、シャングリラの住民はなんと思うだろう。アクシズの印象が悪くなるのではなかろうか…それでは、ハマーン様のお名前に傷が付く…我が愛しのハマーン様…私はあなたの前では、救いを求める哀れな子羊です。どうか、この子羊に知恵と勇気をお与えください。お願いいたします、ハマーン様。ああ、ハマーン様ハマーン様ハマーン様……」

ゴットン「ゴットン、入ります!」

マシュマー「きさま!何も見てないな!?」

ゴットン「う、苦しい!見ていません!聞いていません!子羊のことなど何も知りません!」

マシュマー「何?」

ゴットン「あー、何も言っておりません!マシュマー様の空耳です」

マシュマー「よーし、お前はよく物事を分かっている。この作戦が終了したら、一週間の有給休暇を与えよう」

ゴットン「は、ありがとうございます」

マシュマー「ところで、何しに来たのだ?」

ゴットン「は、出撃の準備が整いましたので」

マシュマー「……ッ、それだけのことか……」

ゴットン「はっ」

マシュマー「……そうか……」

鉄パイプを振り回してマンホールに嵌る(元)ティターンズの野獣・ヤザンさん

画像でお楽しみください。なお、このシーンはヤザンのセリフなし。

アポリーさんとヘンケン艦長とエマとカツが浮かばれねえ……。

ボクシングで対決するΖとゲゼ

かつて、モビルスーツでこのように戦ったニュータイプがいただろうか。いや、いない。

声の出演

ジュドー・アーシタ矢尾一樹ブライト・ノア鈴置洋孝リィナ・アーシタ岡本麻弥/イーノ・アッパーブ:菊池正美ビーチャ・オーレグ:広森信吾*1/モンド・アガケ:塩屋浩三

ファ・ユィリィ:松岡ミユキエル・ビアンノ原えりこハマーン・カーン榊原良子マシュマー・セロ堀内賢雄/ゴットン・ゴー:戸谷公次トーレス:阿部建太*2/シンタ:坂本千夏/クム:荘真由美/ゲモン・バジャック:玄田哲章/ドーデモ:龍田直樹

トーレス役、今回は「阿部建太」と表示。
榊原良子ジュドーたちの通う学校の女性教師役も兼任。

スタッフ

作画監督 恩田尚之
原画 高橋朝雄/仲盛文/仲田美歩/野田康行/山田浩之/山田真史/栗井重紀/岩滝智*3/越智博之/恩田尚之/熊谷浩彦/古瀬泰英/佐藤厚
動画チェック 吉沢亮
動画 中川信子/野村宙/小沢章子/大内正彦/福岡真一/山本まゆみ/網野勇治/スタジオ・夢民/スタジオ・マーク/スタジオ・ぶーびー
色彩設定 高島清子*4
色指定 今西清子*5
特殊効果 千場豊
仕上処理 前林文恵
仕上げ ジャスト/サンライズスタジオ/スタジオACT/スタジオMAC
背景 アトリエ・ラスコー/白椛幸子/福島智子/鈴木光英
撮影 旭プロダクション/古林一太/奥井敦/平山明夫
編集 布施由美子(井上編集室)
効果 横山正和
調整 依田章良
録音 ニュージャパンスタジオ
現像 東京現像所
タイトル マキ・プロ/岸村弘明
設定ベース 永瀬唯
協力 河本洋一/西中康弘
制作デスク 高森宏治
設定制作 近藤康彦
制作進行 大嶽敏夫
演助進行 高松信司
制作補佐 原田奈奈
OPコンテ 滝沢敏文
ENDコンテ 斧谷稔*6
OP・END作画 瀬尾康博/北爪宏幸/内田順久
OP・END美術 池田繁美
脚本 遠藤明吾*7
ストーリーボード 滝沢敏文/世良邦男/斧谷稔*8
演出 平林淳

次回予告

エンドラの新型モビルスーツ・ズサは新型。つまりね、強いのよ。俺たちの予定めちゃめちゃ。商売は上がったりで、何かこう、アーガマのクルーではないのか、って十分錯覚してる。でもね、お金の亡者・ダマールさん家が迷惑だったっての、良いんじゃない?次回、ガンダムΖΖズサの脅威」。ニュータイプの修羅場が見れるぞ!

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*1:拡森信吾

*2:柴本浩行

*3:岩瀧智

*4:今西清子

*5:高島清子

*6:富野由悠季

*7:遠藤明範

*8:富野由悠季