最近はBSやCSで昔のドラマや時代劇をたくさん見ることができるので、特に「もう一度見たい」と思えるドラマもないし、見たいと思ってもふとした機会にCSの再放送でお目にかかれるときがあるのでそれほど意識はしていないのだけど、一つだけ「もう一度見たいドラマ」が思い浮かんだ。
『特捜最前線』だ。現在、恐らくテレビ朝日系列の各局で刑事ドラマの再放送といえば、『相棒』か『科捜研の女』あたりを再放送しているのではないだろうか。これらの作品は老若男女の固定ファンがいるので、再放送でもある程度の視聴率を計算できると思われるし、現在も続いているシリーズなので、現在放送中の最新シーズンへの視聴者の誘導も可能になる。再放送と本放送の相乗効果が見込めるのが一番のメリットだ。
だが、20年近く前は違った。テレビ朝日系列の地方局で刑事ドラマの再放送といえば『特捜最前線』ではなかっただろうか。
『特捜最前線』は1977年4月から1987年3月まで放送された刑事ドラマで、全509話の放送回を誇るロングラン作品である。各エピソードは、アクションであったり、人情系エピソードだったり、世の中の不条理に向き合ったり、一人の人物(ゲスト)についてとことん掘り下げたものだったりとその内容は多種多様にわたり、この作品以降のテレビ朝日系列で放送される刑事ドラマの礎を築いた作品といっても過言ではないと思っている。詳しい内容はWikipediaを見てください。
僕が住んでいた地域では正午前の時間帯に断続的に再放送していて、必ずしも順序正しく第1話から再放送がされているというわけではなく、途中の放送回から突然再放送がはじまるなどといったパターンが多かった。僕は中学時代不登校児だったので、朝起きてご飯を食べて、暴れん坊将軍(再放送)→特捜最前線(再放送)という視聴パターンが定着していた。ちなみにこのパターンは僕が成人になってからも続いた。『特捜最前線』は地元では10年近くの間、何らかの作品を挟みつつも再放送が継続されていたと思う。
今でもたくさんのエピソードが思い起こされるが、当時まだ若かったころに見た印象と、いろんな経験を経て現在見る印象とでは相当開きがあるんじゃないかと思っている。「ナーンチャッテおじさんがいた!」「新宿ナイト・イン・フィーバー」「浅草の老警官・7分間の壁!」このあたりを今の自分が見ると、また違った感情や感想を抱くんじゃないかなって。それくらい、『特捜最前線』の各エピソードには視聴者に訴えかけてくる強いインパクトとメッセージ性があった。
それにしても、ある時期から急にピタっと止んだ『特捜最前線』の再放送。以前はCSのファミリー劇場でも再放送していたのに。根強い人気が、いつの間にか高い希少性を生んで放映権料が高額になってしまったとか?CSの再放送も、東映チャンネルくらいしかやってないよね。BSでは3年くらい前に期間限定で再放送したけど。毎日何か月も連続で放送する再放送っていうのは、各局が嫌がるようになってしまったのかしら。とにかく、今僕がもう一度見たいドラマの筆頭が、この『特捜最前線』というわけなのです。
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