シティーハンター1話「粋なスイーパー　XYZは危険なカクテル」

あらすじ
原作
セリフ
次回予告
キャスト
スタッフ
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あらすじ

殺人の快楽に溺れた射殺通り魔の男に、妹を殺された亜月菜摘から依頼を受けたスイーパー・冴羽獠。犯人を警察に突き出して欲しいというのが依頼目的だが、どうやらそうでもないらしい。男はシティーハンターが自分に目を付けたことを知り、子飼いの情報屋を殺害し、更には依頼人である菜摘の命を狙いはじめる。冴羽はこれを阻止し、逆手を取って今度は男を追い詰めていく。
冴羽が夜の公園で男を完全に追い詰めたとき、突然、菜摘が冴羽の銃を奪い取った。菜摘の本当の目的は、自らの手で妹の恨みを晴らすことだったのだ。だが、彼女は男を撃てなかった。その隙を突き、逆上した男がBMWに乗り込み冴羽を狙う。しかしプロのスイーパーである冴羽の敵ではなかった。男は冴羽の愛銃・コルトパイソン357マグナムで撃ちぬかれ、BMWは噴水に激突炎上し男は死亡する。「あいつは、おたくが手を汚すほどの値打ちもない。だからこそ、俺のような男がいるのさ」

19時台放送のアニメだが、子どもだけではなく大人の視聴にも十分耐えられるストーリーと演出。菜摘との待ち合わせで使う「マスターの店」には乳首の部分だけを星のワッペンで隠した若い女性がいるなどアダルティなムードが漂う。後半のドタバタな演出はまだなく、シックでどことなく暗く落ち着いた雰囲気が漂う展開。劇中すべてが夜の描写だというのもポイントの一つ。劇中、何度か殺人描写があるが、そこは19時台の作品ということでマイルドに抑えられている。最後に通り魔を始末する演出も、「死亡したと思われる」内容で幕を閉じている。菜摘のもとを去る際に、左手の甲にさりげなく巻かれたハンカチが事件の余韻に一役買っている。

冴羽役の神谷明と、槇村役の田中秀幸は『ドカベン*1』『キン肉マン』で長年レギュラーとして共演していたことがあるため、演技の息もぴったりである。記念すべき第１話のヒロインは藤田淑子を起用。サンライズ作品での出演は少なく、東映や東京ムービー新社の作品に出演しているイメージが強い。藤田は同じ北条司原作『キャッツ・アイ』のアニメ版において、来生三姉妹の長女・来生泪役を演じており、作品の親和性としても十分なキャスティングである。なお、脇役の家出娘役には来生愛役の坂本千夏が出演している。神谷と藤田の共演では『北斗の拳』のマミヤ役が真っ先に思い浮かぶだろう。

殺人犯の男には石丸博也を起用。石丸博也は『キャッツ・アイ』の2ndシーズンに脇役で出演していた。ジャッキー・チェンが主演した実写版『シティーハンター』では、石丸博也がジャッキー・チェンの吹き替えを担当している都合上、冴羽獠を石丸博也が演じている。反面、脇役は見事にサンライズ系で固められている。菅原正志や稲葉実など、サンライズ作品の脇に欠かせない面々だ。なお、脇役で登場していたことで有名な山寺宏一、梁田清之はまだ登場していない。

作画に目を向けると、男性キャラの顔は北条作品を踏襲しているように思えるが、ヒロイン・菜摘の顔は北原健雄のタッチが色濃く出ている。美しく妖艶な部分が『ルパン三世PARTII』の峰不二子を彷彿とさせ、また表情やアングルによってその魅力を効果的に滲み出させている。冴羽の顔もちょくちょく変わってまだ完全にイメージが固まっていないようだ。これは、香が登場してからしばらくしないと固定化されないように思う。第１話だからなのか、作画スタッフ（特に原画）の豪華さは素晴らしい。

原作

「BMWの悪魔」

セリフ

冴羽「この街には事件が多すぎてね。サツから漏れた悪党を掃除するのが、スイーパーとしての俺の役目だ」

菜摘「警察の手なんかに渡さないわ！私が、私がこの手で、妹の仇を討ってやるわ！」

次回予告

冴羽「みんな、もっこりしてるかな？さて、次回のお話は……何？依頼人は清水美津子っていう科学者？とんでもない細菌を作っちゃって狙われてる？ヤメヤメ、ヤダ！科学者なんてどうせハイミスでガリガリの、どうせメガネをかけた……え！？とびっきりの美女！？やるやる！ボクちゃんこの依頼やる！僕の美女を狙う奴は、絶対に許さん！ムフ、俺のもっこりパワーを見せてやる！次回『私を殺して！！美女に照準は似合わない』お楽しみに！」

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キャスト

冴羽獠：神谷明／槇村：田中秀幸

菜摘：藤田淑子／男：石丸博也／情報屋：北村弘一／マスター：青森伸／強盗：島香裕／夕子：岡本麻弥／女：伊倉一恵／家出娘：坂本千夏／警官：菅原正志

スタッフ

脚本	星山博之
絵コンテ	こだま兼嗣
演出	こだま兼嗣／江上潔
作画監督	北原健雄
原画	村中博美／山崎展義／山本佐和子／荒木英樹／直井正博／中島美子／黄瀬和哉／石田敦子
動画	島田悌三／春日久美子／四本忠司／スタジオMAX／スタジオMAY
動画チェック	石井康雄
色指定	松本真司
仕上	スタジオ・ディーン／豊永真一／津茂谷知里／山本由美子／有田尚義
特効	千場豊（マリックス）
背景	獏プロダクション／本田修／本田利恵／中原英統／平田秀一／平川栄二／西村康浩／もたい智恵子
撮影	旭プロダクション／長谷川洋一／末弘孝史／福田寛／土岐浩司
編集	鶴渕映画
タイトル	マキ・プロ
効果	松田昭彦（フィズサウンド）
整音	大城久典
音響制作	オーディオ・プランニング・ユー
録音スタジオ	A・P・Uスタジオ
現像	東京現像所
設定	山本之文
制作助手	渡辺葉子／佐藤あさみ
制作進行	池部茂
文芸	外池省二
製作担当	望月真人

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