平家の末裔・花姫の護衛を依頼された冴羽。花姫は故郷である秘境・黒熊谷から一歩も出たことが無いため都会の常識を知らず、冴羽と香は振り回されるばかり。花姫は東京の自然環境に表情を曇らせるが、それは黒熊谷の権利書を巡る事件に直結していた。依頼人の壇之浦軍太夫も何やら隠している様子。
権利書を狙うのは、同じ平家の末裔ながら閉鎖的な黒熊谷を離れ外人部隊に身を投じた五郎兵衛であった。平家再興を現代の形で成し遂げようと、外資系企業の一大レジャーランド計画に便乗するため権利書が必要であったのだ。平家の亡霊にとり付かれた五郎兵衛の心を撃ち抜いた冴羽。花姫と五郎兵衛も和解して一件落着。
今回からアイキャッチの曲が変更。『シティーハンター3』まで続くあの曲です。
東京駅で唐草模様の風呂敷包みをいっぱいに下げて登場の花姫。時代錯誤な格好をしているが、現代的なメイクとファッションを施せば、街行く男女が思わず見とれてしまうほどのモデル系超美人。そんな彼女こそ、平家の血を引く由緒正しきお姫様なのである。一流レストランのメニュー全てを一人で平らげてしまったり、銭湯に興味津々などちょっと変わったところもあるが、東京の自然環境に向けた目は非常に厳しい。その背景には、故郷である黒熊谷の豊かな自然が、外資系企業のレジャーランド開発によって破壊されてしまうかもしれないという危惧を抱いていたからだ。
黒熊谷の土地の権利書を狙うのは、同じく黒熊谷出身の五郎兵衛。外人部隊に所属していたこともあり、戦闘ヘリを自在に操る凄腕。彼は今も平家再興を夢見ており、外資系企業の進出に便乗して「現代の平家再興」を実現するため権利書強奪計画を実行したのだ。形は違いこそすれ、これも彼なりの花姫への忠誠心であり、軍太夫は花姫にこのことを知ってもらうために東京へと連れ出したのだ。花姫も五郎兵衛も黒熊谷に住む平家の末裔たちを案じていることは確かだ。五郎兵衛は権利書と「男の意地」を賭けて冴羽と勝負するも、冴羽は不器用な生き方しかできない五郎兵衛に共感し、五郎兵衛にとり付いた平家の亡霊を撃ち抜くのだった。
花姫役には平野文。神谷明とは、何と言っても『うる星やつら』のラムと面堂終太郎との共演だろう。また、前話に引き続いて堀川亮が脇役として出演している。
放送開始当初から脚本で参加してきた吉川惣司は、この回をもって降板する。
セリフ
軍太夫「赤子の時より世話して十と八年。姫の胸はもっと大きゅうござる」
冴羽「俺はあんたのように、不器用な生き方しかできないヤツが好きなんだ。俺が打ち砕いたのは、いつまでも平家にとり付かれていた亡霊だ」
次回予告
冴羽「うーん、分からん。どうしておっさんのボディーガードなんかしなきゃならんのだ?」
香「本当!珍しい。しかも外人さんなんでしょ?」
冴羽「確か夕べは冴子と飲み歩いたろう?」
香「なぬ!?冴子?」
冴羽「気付いたらもう朝でこういう話になってたんだよな。てんで覚えてない」
香「そりゃハメられたんだ、また」
冴羽「やっぱし?シティーハンター『姿なき狙撃者!!獠と冴子の危険なゲーム』」
香「絶対見てね!」
キャスト
冴羽獠:神谷明/槇村香:伊倉一恵
花姫:平野文/軍太夫:上田敏也/五郎兵衛:郷里大輔/男A:大塚芳忠/男B:小出和明/ウエイター、若者:堀川亮*1/ヘッド:田原アルノ/若者:西村智博*2
*劇中女性のガヤがあったのだが、今回女性脇役声優はクレジット無し。恐らく平野文と伊倉一恵が担当しているものと思われる。
スタッフ
脚本 | 吉川惣司 |
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絵コンテ | こだま兼嗣 |
演出 | 加瀬充子 |
作画監督 | 谷口守泰 |
原画 | 加瀬正広*3/逢坂浩司/小森高博/井上哲/野中幸/貴志夫美子 |
動画 | 島田悌三/四本忠司/アニメ・アール/スタジオ九魔/スタジオ天 |
動画チェック | 石井康雄 |
色指定 | 岩沢れい子 |
仕上 | スタジオ九魔/米村貞子/奥野孝一/公平保之/横田政一 |
特効 | 千場豊(マリックス) |
背景 | スタジオ風雅/大野広司/小平朝子/内田勉/工藤美幸/黒田聡/針生勝文/神山健治/滝昌之/小林真理子/遠藤久美子 |
撮影 | 旭プロダクション/長谷川洋一/末弘孝史/福田寛/土岐浩司 |
編集 | 鶴渕映画 |
タイトル | マキ・プロ |
効果 | 松田昭彦(フィズサウンド) |
整音 | 大城久典 |
音響制作 | オーディオ・プランニング・ユー |
録音スタジオ | A・P・Uスタジオ |
現像 | 東京現像所 |
設定 | 山本之文 |
制作助手 | 渡辺葉子/佐藤あさみ |
制作進行 | 藤本容伯 |
文芸 | 外池省二 |
製作担当 | 望月真人 |
本ページの情報は2020年2月時点のものです。
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