YVTの美人キャスター・結城礼子のボディーガードを依頼された冴羽。礼子は政治家と暴力団の癒着を追う取材で成功を収め、自分が外見だけの人気に甘んじるキャスターではないことを周囲に認めさせようと息巻くキャリアウーマンで、特に男の協力を強く拒んでいた。しかし、冴羽の礼子を思いやる行動と、冴羽と香の「信頼しあうパートナー」の姿を見て自らの考え方を改める。
冴羽と香の協力を得て、礼子は政治家と暴力団の癒着現場を見事突き止めた。仕事は成功したが、良い仕事をするには信頼し合えるパートナーが必要だと、礼子は冴羽たちから学ぶのだった。
冒頭、主題歌「ゴーゴーへブン」のことをニュースで読み上げる結城礼子。喫茶店内でかかる曲「NEVER GO AWAY(歌:北代桃子)」、癒着現場でかかる曲「WANT YOUR LOVE(歌:北代桃子)」。
YVT土屋剛に依頼され、今話題の美人キャスター・結城礼子のボディーガードをすることに。今で言うところの「アイドルアナウンサー」といったところだろうが、彼女はバラエティー番組でただ笑顔を振りまくようなキャスターにはなりたくないという強い意志を持っている人物で、自分が美人で、登場するだけで視聴率が取れると思われているがゆえに、周囲に自分のキャスターとしての実力を認めさせたいと、政治家と暴力団の癒着を取材する危険な企画に飛びついた。
当初は「男の力で取材が成功したと思われたくない」と冴羽の協力も強く断っていたが、張り込みに没頭する自分を、長時間雪と風から身を呈して庇ってくれていた冴羽の心遣いに、考え方と態度を改めるようになる。そして、暴力団に狙われた際、冴羽と香が「パートナー」としてお互い強い絆で信頼し合っている姿を見て、自分一人の力では良い仕事は出来ないのだと痛感するのだった。一匹狼的な結城礼子の依頼に、パートナーとして協力し合いながら仕事に当たる冴羽と香の「絆の強さ」が浮き彫りとなったエピソードである。なお、結城礼子のバストサイズは「86cmのCカップ」。ブラジャー一枚になるシーンもあり。
今回の冴羽の衣装は、灰色のロングコートに赤のシャツというこれまでの衣装とは違うもの。原作でも着こなしているコーディネートだが、そもそもの作画がこれまでのタッチとは大きく異なっているものとなっており、「作画崩壊」という言葉が頭を過ぎらざるを得ない内容となっている。冴羽の顔も香の顔も、礼子の顔も、これまでの作画とはかなりかけ離れており、キャラクター表がきちんと作画スタジオに行き渡っていたのか、総作画監督のチェックが間に合わなかったのか、などいろいろ疑問が残る。動きもぎこちなく、例えば冴羽が礼子と香にバットで殴られて吹き飛ぶシーンでは、動きと効果音が合っていないなど怪しげな部分がいくつか。
制作進行にアウベック出身で現在はスタジオ・ディーンの制作プロデューサーを務める松田桂一の名前があることから、アウベックが実制作を担当しているものと思われる。なお、アウベックでも『機動戦士Zガンダム』に参加していた兵頭敬や榎本明広、『ガンドレス』の作画監督を担当していた土屋幹夫らは参加していない。演出は武藤裕治(ムトウユージ)。この作品が演出家としてのデビュー作である。なお、彼は芝山努の一番弟子でもある。
原作
「美人キャスターの実力」「トラブル・スクープ」「ニュース速報 礼子の場合」
セリフ
礼子「そんな言われ方は不愉快です。私は顔を見てもらいたいのではなく、ニュースを聞いて欲しいのです。失礼、もう二度とお目にかかることもないでしょう」*冴羽が「美しい。いつもニュースを見ています」と煽てた際にムッとして
冴羽「お前を信頼してるから、俺は戦えるんだぜ?……なあんてこと、信じる?」
香「私も本当は信頼してるんだ。本当に危ないときは助けてくれる。なあんて言ったら信じる?」
冴羽「今まで俺に二度歯向かったやつはこの世にいないんだぜ?何なら、体でそれを納得させてやろうか?」
次回予告
香「リョウってば、また女子大に潜り込んだんだって?」
冴羽「だって由加里クンを見張りに行ったんだもん」
香「あの自殺志願って娘?本気じゃないんでしょ?」
冴羽「彼女曰く、保険金目当てに父親に命を狙われてるって。だからツッパってんだって」
香「んな馬鹿な」
冴羽「でも、誰かが命を狙ってんのは確かだ」
香「本当に?親父に直にねじ込んじゃえば?」
冴羽「わあ、香ちゃんて過激。シティーハンター『女子大生愛のツッパリ!誰かが私を狙ってる』」
香「絶対見てね!」
キャスト
冴羽獠:神谷明/槇村香:伊倉一恵
礼子:佐々木るん/土屋:大矢兼臣/組長:島香裕/幹部:田原アルノ/大男:笹岡繁蔵/組員A:山寺宏一/組員B:島沢弘隆*1/OL:水原リン*2/女たち:矢崎えりい、平山せい
スタッフ
脚本 | 遠藤明範 |
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絵コンテ | 武藤裕治*3 |
演出 | 武藤裕治*4 |
作画監督 | 遠藤晴*5 |
原画 | 遠藤晴*6/渡辺嘉己/鈴木順八/宇都木勇/石丸賢一/清水勝祐 |
動画 | 当麻公子/相田直子/荻原瑞恵/熊谷哲夫/伊藤由美/吉沢八重子/中島早苗 |
動画チェック | 前田由加里 |
色指定 | 井沢徹 |
仕上 | 平松淳子/藤沢早子/工藤栄子/中根富士美/笹木弥生/小暮優子 |
特効 | 田崎正夫 |
美術 | 千葉康之 |
背景 | アート・サム/野谷顕次/橘田昌典/金子正幸/中島祐一郎 |
撮影 | 三晃プロダクション/石原清/武田純一/横山義之/山口真 |
編集 | 鶴渕映画 |
タイトル | マキ・プロ |
効果 | 松田昭彦(フィズサウンド) |
整音 | 大城久典 |
音響制作 | オーディオ・プランニング・ユー |
録音スタジオ | A・P・Uスタジオ |
現像 | 東京現像所 |
メカニカルデザイン | 明貴美加 |
設定 | 秋山浩之 |
制作助手 | 渡辺葉子/佐藤あさみ |
制作進行 | 松田桂一 |
文芸 | 外池省二 |
製作担当 | 望月真人 |
本ページの情報は2020年3月時点のものです。
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