実業家・正木瑛三の娘・由加里の非行と自殺未遂を止めて欲しいとの依頼を受けた冴羽と香。しかし、由加里は「自分は父親に命を狙われている。それなら自分で死んでやる」と考えていた。瑛三と由加里との間に血は繋がっていない。更に瑛三の会社は経営不振であるため、由加里は瑛三が経営建て直しのため自身の死亡保険金を狙っていると思い込んでいたのだ。
由加里の考えと行動が、実は父親の愛に飢えた甘えた行動であると睨んだ冴羽だが、本当に命を狙われていることには疑問を抱いていた。一件を裏で操る悪漢・黒川は冴羽の隙を突いて由加里を誘拐。瑛三を脅迫し身代金を要求するも冴羽によって懲らしめられる。血は繋がっていなくとも、瑛三の由加里に対する愛情は本物であった。
冴羽のマンションで流れる曲「砂のCASTLEのカサノヴァ(歌:北代桃子)」、悪党退治時の挿入歌「FOOTSTEPS(歌:北代桃子)」。
ゲストヒロイン役には松井菜桜子を、その父・瑛三役には『ど根性ガエル』の梅さん役で知られるベテラン・原田一夫を迎えた親子愛の物語。ボディーガードの相手が女子大生で、冴羽が女子大に潜入という点では、第15話に似た展開である。母の再婚相手であった父・瑛三に甘えたい心が、疑心を抱くまでに至ってしまっている。父親は黒川によって脅迫されていたが、最後は由加里への父としての愛情を行動を以って示しハッピーエンドに。
またまた女子大に潜入する冴羽だが、第15話のように学生たちに歓迎されるわけでもなく、逆に追い出されてしまう始末。また、警備員に例の名刺を見せて「シティーハンターというスイーパーです」って自己紹介してしまう冴羽。裏稼業の人間が素性明かしちゃって良いのかな?
今回は作画を楽しむ回かもしれない。女子大でのドタバタをはじめとしたAパートのほとんどは西澤晋が担当。また、由加里が命を狙われる場面である立体駐車場のカーチェイスも、同じカットの繰り返しだがスピード感を感じる。このシーンのバックに流れる劇判はあまり馴染みがない。また、四号埠頭からはスタジオ・ダブが担当のように見える作画。車の尋常ではない吹っ飛び方や、由加里が捕らわれたままの車を追いかける瑛三〜救出に至るまでのスピード感も見事。今西隆志の演出が光る。この話もまた、悪人が『ルパン三世』に出てきそうな顔をしているし、女子大で鼻を伸ばす冴羽がルパン顔になっている。絵コンテが青木悠三、作画監督が北原健雄のルパンコンビ。
セリフ
冴羽「そうだ、君も恋をすると良い。恋をすれば、死にたいなんて思わなくなる」
正木「ワシがお前を殺すなどと!何と馬鹿なことを考えおって!どこに自分の娘を殺す父親がいるというのだ。まったく、呆れてモノも言えん!」
次回予告
香「大変!おとらさんが花吹雪組にさらわれちゃった!」
冴羽「まったく酷いもんだ。近頃の任侠道も地に堕ちたな」
香「でも菊之介さんは違うわよ。腕は立つし究極の任侠道を目指してるもの」
冴羽「そう、ほんじゃ一丁菊之助ちゃんに本物の任侠道を見せてもらおうか」
香「やったぁ!殴りこみね!」
冴羽「喜ぶなっての。シティーハンター『新宿仁義一直線!着流し美人は弟子志願(前編)』」
香「絶対見てね!」
スタッフ
脚本 | 平野靖士 |
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絵コンテ | 港野洋介*2 |
演出 | 今西隆志 |
作画監督 | 北原健雄 |
原画 | 西沢晋*3/西村誠芳/木口寿恵子/斉藤良子/後藤由美 |
動画 | 山本みどり/福本千津子/スタジオ・ダブ/アニメ・アール/スタジオ天 |
動画チェック | 渡辺恵一 |
色指定 | 松本真司 |
仕上 | スタジオ・ディーン/豊永真一/津茂谷知里/山本由美子/有田尚義 |
特効 | 千場豊(マリックス) |
背景 | 獏プロダクション/本田修/本田利恵/中原英統/平川栄治/西村康浩/服部一広 |
撮影 | 旭プロダクション/長谷川洋一/末弘孝史/福田寛/土岐浩司 |
編集 | 鶴渕映画 |
タイトル | マキ・プロ |
効果 | 松田昭彦(フィズサウンド) |
整音 | 大城久典 |
音響制作 | オーディオ・プランニング・ユー |
録音スタジオ | A・P・Uスタジオ |
現像 | 東京現像所 |
メカニカルデザイン | 明貴美加 |
設定 | 秋山浩之 |
制作助手 | 渡辺葉子/佐藤あさみ |
制作進行 | 星野匡章 |
文芸 | 外池省二 |
製作担当 | 望月真人 |
本ページの情報は2020年3月時点のものです。
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