美術収集家であったピエール・ルルーシュの未亡人である真澄のボディーガードを依頼された冴羽。冴子の紹介ということでどうも乗り気ではなかったが、この依頼にはもう一つの目的があった。
銃で手榴弾を弾くシーン「FOOTSTEPS(歌:北代桃子)」。
野上冴子からの紹介による仕事。依頼人は真澄の執事である工藤。いまだに夫の死にしがみ付き、喪服すら脱ごうとしない美人未亡人のガードが依頼内容だが、その裏には冴羽のスケベ心を利用して、亡き夫の事を忘れさせようとする意図があった。言わばもっこり公認の依頼である。
サンライズ版『めぞん一刻』。絵コンテは『めぞん一刻』の初代監督であるやまざきかずおが担当。ところどころで高橋留美子作品っぽいアクションや仕草をするのはこのためか。なお、「野上冴子貸付表」の中に「1986年4月20日 南雅彦退治」とある。
ダイヤを専門に狙う一匹狼の泥棒・アカハナ(本当に赤い鼻をしている。『機動戦士ガンダム』に出てくるジオン兵「アカハナ」そっくり)に狙われていた真澄。ピエールが収集し遺した美術品の中にダイヤが隠されていたことを突き止めていたアカハナであったが、屋敷の警備システムが完璧でなかなか手が出せない。そこで、真澄の夫への想いを逆手に取った心理作戦に出る。冴羽はそんな真澄の弱い心を、香と槇村の関係を例えにして諭すのだった。後半は、この仕事を紹介した野上冴子が颯爽登場し、事件は無事解決。真澄は屋敷を捨てて海外へと旅立つ。その表情は、とても晴れやかなものだった。
セリフ
工藤「何という御方だ。失敗を失敗とも思わず、すぐに立ち直って行動を始める。この不屈の闘志、飽くなきスケベ心。これだ、この御方しかおらん!」
冴羽「また墓場に戻るのかい?君にとって、本当の墓場はここじゃない。あの屋敷だ。そうだろ?」
冴羽「香には兄貴がいた。仲の良い兄妹だった」
真澄「亡くなったの?その方」
冴羽「ああ。あいつにとっては唯一の肉親だったんだ。今だって、思い出さない日はないだろう。だが、香はそんな事を一言だって言わない。いつだって明るく振舞っている。強い女だよ、香は。それに引き換え、君はピエールの死という事実に寄りかかって生きているただの弱虫に過ぎない」
次回予告
冴羽「こりゃ天の恵みか。シスターからの依頼とは……」
香「それが何と映画見たりディスコ行ったりしてね、酔っ払ってロザリオ無くしちゃったんだって」
冴羽「あら〜、まさに迷える子羊ちゃん」
香「ロザリオ早く見つけてあげなきゃ、彼女休暇明けに誓願するのよ」
冴羽「って言うと?」
香「神様との結婚式よ」
冴羽「んな勿体無い。結婚するならボクちゃんとしよ〜」
香「あ〜、神様。どうかリョウに天罰を!」
冴羽「シティーハンター『迷えるシスター もっこりは愛のお導き!?』」
香「絶対見てね!」
キャスト
冴羽獠:神谷明/槇村香:伊倉一恵
野上冴子:麻上洋子/真澄:羽村京子/工藤:松尾銀三/男(アカハナ):笹岡繁蔵
スタッフ
脚本 | 遠藤明範 |
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絵コンテ | 山崎和男*1 |
演出 | 江上潔 |
作画監督 | 谷口守泰 |
原画 | 逢坂浩司/野中幸/小森高博/小川瑞恵 |
動画 | 四本忠司/川島由美子/アニメ・アール/スタジオ天/スタジオ夢民/スタジオMAY |
動画チェック | 石井康雄 |
色指定 | 中山志甫子*2 |
仕上 | 遊民社/津田美加/光井朋夏/川口由美子/森美奈子/藤塚篤 |
特効 | 千場豊(マリックス) |
背景 | スタジオ・イースター/矢島洋一/北川晴美/清水隆夫/南沢貞子/影山誠哉 |
撮影 | 旭プロダクション/長谷川洋一/末弘孝史/福田寛/土岐浩司 |
編集 | 鶴渕映画 |
タイトル | マキ・プロ |
効果 | 松田昭彦(フィズサウンド) |
整音 | 大城久典 |
音響制作 | オーディオ・プランニング・ユー |
録音スタジオ | A・P・Uスタジオ |
現像 | 東京現像所 |
メカニカルデザイン | 明貴美加 |
設定 | 秋山浩之 |
制作助手 | 渡辺葉子/佐藤あさみ |
制作進行 | 藤本容伯 |
文芸 | 外池省二 |
製作担当 | 望月真人 |
本ページの情報は2020年3月時点のものです。
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