片岡財閥の一人娘・優子のボディーガード。冴羽は優子が現在の母親と血が繋がっていないことから遺産相続のもつれではないかと睨む。早速、優子が通う日光女子大学に講師として潜り込む。
優子と継母・真由美との不和を確認した冴羽。現実から逃げてばかりの優子を諭し、黒幕を暴くために刺客を拷問。ライバルグループである赤川財閥・赤川次二郎が真由美のひき逃げをでっち上げて片岡グループ乗っ取りを企んでいるという確証を掴む。冴羽は赤川を間接的に懲らしめることで手を引かせることに成功。そして冴羽は始末料の代わりとして「昔の忘れ物」であるペンダントを持って去っていった。「冴羽獠……あの人は、私の本当のナイトだった」
今回よりオープニングクレジットの表記が「日本サンライズ」から「サンライズ」に変更。
対立する財閥グループの抗争劇に絡むお嬢様のボディーガード。この事件には、冴羽の過去が見え隠れする。10年前、優子が誘拐犯に襲われたときに助けてくれた『ナイト(騎士)』が残していった一つの「ペンダント」がキーアイテムに。
依頼人の優子は男嫌いの美人女子大生。そのため女子大へ通っているわけだが、その心の中には今も自分を救ってくれたナイトの姿が色濃く残る。冴羽がそのナイトに瓜二つであったため、優子は冴羽にボディーガードを依頼することを承諾。冴羽も女子大の講師として潜入し身辺警護を開始する。優子のナイトへの憧れは相当強く、それは冴羽の顔を生で初めて見た瞬間から講義の終了まで思わず見とれてしまったほどだ。
女子大という環境で周囲に男がいないせいだろうか、欲求不満な女子大生の過激な誘惑に撃沈寸前の冴羽。でも今回はお嬢様のナイトということで踏みとどまる。優子は今回の依頼を通して、ナイトと冴羽が同一人物かどうか確かめようと必死。だがそれは、孤独な自分の心を癒してくれる「頼れる存在」を求めていただけに過ぎなかった。男を拒否していた事も、本当は男(ナイト)に守られたいという心境の裏返しだったのかもしれない。そんな自分の弱さを一喝してくれた冴羽、そして、その冴羽がナイトと同一人物だと分かった時の優子の崩れ落ちそうな感動を表す場面は印象的。黒幕の赤川は真由美のひき逃げを捏造し、母親の立場から優子を追い詰めさせる卑劣な男。真由美自身は、優子への愛情に溢れる優しい母親だった。
『ドラゴンボール』のプーアルや『ちびまる子ちゃん』のたまちゃんなど、小動物っぽいキャラクターや子どもの声を担当することが多い渡辺菜生子が、落ち着いた女性を演じている貴重なエピソード。『夢戦士ウイングマン』の小川美紅も演じてはいるが、こういう落ち着いた美人を演じているのは、個人的には意外な一面だと感じた。山口奈々は『キン肉マン』の「キン肉王妃」として神谷明と長く共演するベテラン。主に東映動画作品への出演がほとんどで、サンライズ作品は『太陽の牙ダグラム』くらいの出演のようだが、神谷明との相性か?
原作
「とんだティーチャー」「思い出のキズ跡」「鐘とともに運命が!」
セリフ
冴羽「いつもと違うの。今回の俺はね、白馬の騎士。”ナイト”なの」
優子「そうよ、あなたがナイトじゃなくても良かった。逃げ込める場所があれば良かった。頼れるところがあれば……」
次回予告
冴羽「ねね、香ちゃん。ちえみって誰?」
香「高校の時の友達よ。スチュワーデスやってんの」
冴羽「わぁ!ぜひ紹介して」
香「だめ。ちえみは私に相談持ちかけてきたんだから。あんたの出る幕じゃないの」
冴羽「でも彼女、知らないうちにバッグに入ってた変なブツのせいで、怪しい二人組に追っかけられてんだろ?そういうことは俺に任せな?」
香「ちえみと付き合うには並の神経ではちょっと無理だよ?後で”ぎゃふん!”って言ったって知らないからね?」
冴羽「シティーハンター『おきゃんスチュワーデス 獠の教官物語』」
香「絶対見てね!」
キャスト
冴羽獠:神谷明/槇村香:伊倉一恵
優子:渡辺菜生子/四谷:緒方賢一/真由美:山口奈々/赤川:銀河万丈/執事:小出和明/殺し屋A:山寺宏一/殺し屋B:梅津秀行/女子大生:上村典子、深見理佳*1、矢崎えりい、平山せい、鈴木りえ子
スタッフ
脚本 | 外池省二 |
---|---|
絵コンテ | 網野哲郎*2 |
演出 | 山口美浩 |
作画監督 | 北原健雄 |
原画 | 遠藤栄一/丹沢学*3/山内貴美子/井上容子/尾形雄二/横田智則/伏見灘 |
動画 | 網野佳子/島田悌三/四本忠司/スタジオ夢民/スタジオMAY |
動画チェック | 石井康雄 |
色指定 | 松本真司 |
仕上 | スタジオ・ディーン/豊永真一/津茂谷知里/山本由美子/有田尚義 |
特効 | 千場豊(マリックス) |
背景 | スタジオ・イースター/矢島洋一/北川晴美/清水隆夫/南沢貞子/影山誠哉 |
撮影 | 旭プロダクション/長谷川洋一/末弘孝史/福田寛/土岐浩司 |
編集 | 鶴渕映画 |
タイトル | マキ・プロ |
効果 | 松田昭彦(フィズサウンド) |
整音 | 大城久典 |
音響制作 | オーディオ・プランニング・ユー |
録音スタジオ | A・P・Uスタジオ |
現像 | 東京現像所 |
設定 | 山本之文 |
制作助手 | 渡辺葉子/佐藤あさみ |
制作進行 | 藤本容伯 |
文芸 | 外池省二 |
製作担当 | 望月真人 |
本ページの情報は2020年2月時点のものです。
最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。