監督:瀬川昌治 ゲスト:藤岡琢也 柄沢次郎 黒部進 園佳也子 立花理佐
フィリピンバーを経営する安川(安岡力也)が殺害された。フィリピン人就労者・ホセ(柄沢次郎)が容疑者として逮捕され、刑事・青木(藤岡琢也)の取調べによって殺害を認めた。ホセの国選弁護人となった北村(若山富三郎)は事件を調べていくうちに、殺意を抱いていたのが安川で、ホセはそれを防いでいるうちに誤って安川を殺害してしまったことを知る。しかし、フィリピン人の就労者に対しての世間の目は冷たく、思うように弁護が進まない。やがて北村は、日本で働く外国人就労者の苦悩や辛さを目の当たりにするのだった。
若山富三郎が国選弁護人となって真実を暴いていくドラマ。NHK『事件』を彷彿とさせるような役回り。しかし、若山自身亡くなる2年前と言う事もあり、呂律や首の皺の深さなど高齢を感じさせる外見はどうしても否めませんが、声の太さはかくしゃくとしたものを感じます。晩年は、こういったハートウォームな作品に出演する機会が多かったように思います。他にも、教師の過度なパワハラが横行する学校へ赴任し*1、教師全体を敵に回しながらも*2真の教育を追い求める教師役を熱演していました。
この作品の共演者には、若山の子分の山城新伍……の更に子分の安岡力也、盟友・大木実、黒部進、藤岡琢也など若山と縁のある俳優が数多く登場します。他には、若い頃の彦摩呂まで(!)
『子連れ狼』や『賞金稼ぎ』の頃のようなギラギラしたものではないし、年齢的なことからそんなものは出せないわけですが、良い意味で枯れた芝居を堪能することが出来ました。