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日本の片隅でひっそりと暮らすおじさんが書くブログ

ドライブと音楽

今では音楽を記録したフラッシュメモリをUSBに差し込んで聴いている人も多いと思うが、僕は今でもCDで音楽を聴いている。

いろんなアーティストの曲を聴いていたが、一番印象に残っているのが渡辺美里田村直美。こう書くとおおよその年齢や年代が分かってしまうが、この2人の音楽は当時の僕のドライブには欠かせなかった。

渡辺美里の「恋したっていいじゃない」はテンションを上げてくれる曲で、当時一緒に遊んでいた女の子とのドライブでよくかけていた。僕が30代で、彼女は20歳。年齢的にはまったく釣り合わないが、それでも彼女はしぶしぶ曲を聴いてくれていた。僕は渡辺美里をカラオケでも歌っていて、彼女は「またか」って顔をしていたけど、それでも付き合ってくれた。そんな彼女は決して恵まれているとは言い難い境遇の下に生まれ、住む場所も働く場所も転々とし、いろんな男に抱かれながら、紆余曲折を経て母親になった。赤ちゃんを抱く母親となった彼女の姿を見たときの僕はどん底だったため、彼女に声を掛けることができなかった。きっと彼女は僕に気付いていたと思う。取り戻せない瞬間だ。

田村直美も欠かせない。「自由の橋」「友好条約を結べないなら」は思い出深い曲で、昔長距離通勤をしていた頃に何度も何度も聴いた曲だった。行きも聴いて帰りも聴いて…というヘビーローテーション。仕事帰りには、自宅近くに住む女の子を会社から送ってあげたこともあった。帰宅途中、一緒にご飯を食べた。その後、自宅で一緒にお酒を飲んだ。キスもした。あの頃も、今と変わらず大変なことがたくさんあったけど、不思議と苦痛じゃなかった。大変なことがあっても、その代わりに何か一つは楽しいことがあったし、お金は無くとも余裕があった。母も、友人も、僕自身も、みんな元気だった。当時の同世代は皆、社会の階段を駆け上がっていく前の、大人と子どもが同居した希望とパワーとエネルギーがあった。

一緒にドライブする人がいたあの頃を思い出す。今は一人で運転している。ついついFMラジオを聞いてしまう。ラジオから流れてくる音楽に耳を傾けることもあるが、特定のアーティストの曲を繰り返し聴くといったことは少なくなった。ドライブと音楽は、今の自分には遠い過去のように思える。運転する車の助手席に誰かがいたあの頃に流れていた曲、もう一度聴いてみるのも良いのかもしれない。

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by ホンダアクセス