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日本の片隅でひっそりと暮らすおじさんが書くブログ

ネット動画配信で機動戦士ガンダムを見ていた

昔はバンダイチャンネルくらいでしか視聴することができなかった、ネット動画配信サービスでの『機動戦士ガンダム』シリーズ。

最近はAmazon PrimeやU-NEXTでも視聴ができるようになりました。特に、富野由悠季監督作品のガンダムシリーズが配信されているのは、かなり貴重で嬉しい。

休憩時間に職場で富野由悠季監督に関するネット記事を読んでいたこともあって、帰宅後は「ファースト」と呼ばれる『機動戦士ガンダム(1979)』を見ていた。やっぱり面白い。

headlines.yahoo.co.jp



子どもをターゲットにしている要素は多々ある*1のだけど、登場人物の行動や言動、時代背景や設定は子ども向けじゃない。ララァが娼婦だったとか、子ども向けアニメの設定じゃないもんね。そういうところが上手くコントラストになっていて、そこにこそ視聴者が引き込まれる要素があるのかなと思うし、大人になってからも色あせないものを感じるのかなと。

最近のガンダムシリーズのように、しょっちゅう理屈をこねていたり、何かに陶酔しきっているような登場人物も、まあいなくはないけれども、それが毎回のように出てくるわけではなく、キーとなるエピソードでガツンとやるからメリハリがある。ただ、先ほどの「コントラスト」の部分があまりにも中途半端に映って不完全燃焼な状態で走ったから、打ち切りになっちゃったのかな、とも思った。子どもにはいまいち分かりにくいよね。アムロが乗るガンダムが侵略者のジオンを倒すぞー…という表向きのお話の裏側で、父・ジオンの遺子であるシャアがザビ家を打倒する壮大な仇討譚が展開されているなんて、年端もいかない子どもが一度見ただけじゃ、想像もつかないよね。

加えて、作品世界を彩る渡辺岳夫の音楽が良い。実に良い。あれこそまさにガンダムの世界。人類の進化が止まりかけた閉塞的な時代に、モビルスーツを開発してしまったことで、終わることのない人類同士の泥沼の戦争に突入していく宇宙世紀の世界を、絶望的に暗く重い音楽で表現している。この傾向は三枝成章によるΖガンダム~逆襲のシャアまできちんと続いていて、それぞれの作品に相応しい音楽的な個性を存分に感じることができたけれども、それ以降の作品はガンダムを音楽で感じることはあまりなかった気がする。例えば、同じ一年戦争の作品でも『機動戦士ガンダム サンダーボルト』のジャズは、やっぱり違うと思うんだよ個人的に。中身もジャズと親和性が高いような作品ではなく、結局はいつものガンダムやってるわけだし、絵柄ともマッチしていなかったから違和感しか感じなかった。→僕のセンスが古いんですかね。

今見てもやはり面白い『機動戦士ガンダム』。今はWEBで好きなときに見れるようになったので、もう何度も見て飽きたわって人でも、たまに視聴してみると意外と新鮮だったりする。休日のちょっとした気分転換にでもどうぞ。

video.unext.jp

本ページの情報は2020年3月時点のものです。
最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。

*1:ガンダムやガンキャノン、ホワイトベースのデザインやカラーリングや、敵モビルスーツの名前が「ザク」「グフ」「ドム」など擬音のようで子どもにも分かりやすい、カラーリングでの区別、など。