- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2019/07/17
- メディア: DVD
あらすじ
表と裏の稼業に精を出す小五郎だが、母・こうが死に一周忌を迎えたにも関わらず、気分が落ち込み遺品整理すらもままならない妻・ふくのことを案じていた。その様子を見た同僚の住之江彦左衛門が、「同価値のもの同士を交換する橋渡し」を無償で行っている、馬喰町の油問屋・佐島屋の手代・弥吉を紹介する。弥吉の手配りにより、こうの遺品はすぐに処分され、ふくにも笑顔が戻った。その弥吉の才覚に、豪商・上総屋清右ヱ門が目を付ける。
リュウは須賀醫院で手伝いをしているおたねに惹かれるが、おたねには許嫁がおり、その許嫁こそ弥吉であった。弥吉は、おたねに橋渡しで手に入れた古い櫛を贈る。嬉しそうに髪にさすおたね。おたねの母・おきよは病身だが、弥吉が近々番頭見習いとなり、給金をいただけるようになっておたねと祝言をあげたいという言葉を聞き喜ぶ。
弥吉は取引先である蘇我屋忠兵衛から、上総屋を紹介される。上総屋は、弥吉が行っていることは「献残屋」という立派な商売であること、手間賃を受け取ることで莫大な富を築くことができることを伝え、自分が後ろ盾になっても良いと言う。上総屋は江戸中の大店や金持ちとつながりのある人物で、蘇我屋からも良い話だと勧められるものの、弥吉は「儲けのためにやっているのではない」と断る。
かねてからヤクザ・飛鳥一家から立ち退きの脅しに遭っていた深川長屋だが、ついに飛鳥一家による本格的な打ちこわしが始まった。抵抗する住人を容赦なく斬り殺す飛鳥一家。おたねの母・おきよも兇刃に倒れ息を引き取った。その様子を満足そうに眺めていたのは、弥吉の得意先である蘇我屋だった。蘇我屋が飛鳥一家をつかって長屋の住人を斬殺したことを、本町奉行所へ訴える弥吉とおたね。与力・増村も憤り、配下の同心たちに探索を命じるも、そのすぐ後に増村宛てに書状が届く。それは、「深川長屋一帯の事件に、今後一切奉行所は手を出すな」という上からの圧力だった。
母を殺されたおたねと弥吉の怒りは鎮まらない。そんな二人に、リュウは「三番筋に願をかけると、晴らせぬ恨みを晴らすことができる」と伝える。しかし、それには金が要る。弥吉は、これまで無償で行っていた「献残屋」の稼業で手間賃を貰うことを決意。貯めた金で殺しを依頼する。依頼を受けた小五郎たちは、蘇我屋と飛鳥一家のつながりが書かれた証文を手に入れた後に殺しに臨む。飛鳥一家の権左、杉蔵、鬼松、そして蘇我屋忠兵衛を始末する仕事人。蘇我屋が殺されたことを知り、自分たちが願をかけたことが叶ったことに驚く弥吉とおたね。
弥吉が献残屋で利益を得たことを知った上総屋は、弥吉の才覚と独立心をくすぐる。一ヶ月後、佐島屋から暇をもらい、上総屋の後見を得て「献残屋・まるや」の主となる弥吉。上総屋による「金があれば何でもできる。どんな無理でも通る。それが世の中というものだ」という言葉に触発され野心を高めていく。献残屋の商売が軌道に乗りはじめた弥吉は、奉公していた佐島屋を買い取り、おたねには新しい櫛と25両を贈る。「もっともっと大きくなる」野心を口にする弥吉の姿に、おたねは戸惑いを隠せない。そんな弥吉の前に、佐島屋で番頭だった金次郎が現れた。佐島屋の主・次郎衛門が首を吊ったというのだ。驚きを隠せない弥吉だが、更に驚いたのは、金次郎が弥吉の「付き人」として雇ってほしいと目の前で土下座をしたことだった。
弥吉は上総屋から女性を紹介される。徳川家斉の遠縁にあたる雉子島家のお嬢様・ほのか。派手な身なりと奔放な性格とは裏腹に、算術に長け和歌も嗜むのだそう。ほのかも満更ではないようだが、弥吉には許嫁がいることを知り破談となる。面目をつぶされた上総屋は、目利きのミスをでっちあげ弥吉を委縮させる。上総屋の背後には老中・諏訪守忠悦がおり、諏訪守から貰った脇差を弥吉に贈る上総屋は、弥吉に苗字帯刀を許し、今後は「海老沢吉右衛門」と名乗ること、そして蘇我屋が完遂できなかった深川長屋の住人立ち退きと取り壊しを命じる。
深川長屋の住人たちと平和的解決を望む弥吉は、住人に別の住居を与え、生活の面倒をみることを提案。住人たちもその案に同意するが、上総屋が新たに差し向けたヤクザ・神竜一家が長屋の住人のほとんどを斬殺。弥吉は上総屋に抗議するが、上総屋は「それが余計なこと。もっと大きな人物になるため、無駄金を使うな」と諭す。さすがにこの暴挙には、本町奉行所の同心たちも怒り心頭。住之江をはじめ、同心たちは「奉行所として悪人どもをお縄にする」と躍起になる。増村は登城し幕閣へ抗議をすると息巻くも、奉行所から動くことができなかった。しかし、小五郎も堪忍袋の緒が切れ、リュウと涼次と共に上総屋とその背後にいる老中とのつながりを探りはじめる。
深川長屋の生き残りとして神竜一家に命を狙われるおたね。弥吉と落ち合ったおたねは、世を儚んで二人で心中することを決意する。赤い布を手首に巻き、弥吉が脇差でおたねを刺す。刺されたおたねは「ありがとう」と弥吉に漏らし、弥吉も自分の胸を脇差で突いた。しかし、弥吉が差したのは木の板であり、おたねはその姿を見て失意の中、意識を失っていった。これらはすべて上総屋と金次郎の策略だった。
弥吉はほのかと祝言をあげることとなった。一方、須賀連暁に助けられたおたねは一命を取り留めていた。弥吉からもらった25両を手に三番筋へ来たおたねは、弥吉からの贈り物である古い櫛と25両を置き、弥吉たちを殺してくれるよう涙ながらに依頼を行うのだった。
主な登場人物
渡辺小五郎(東山紀之)
本町奉行所定町廻り同心。「顔が良いだけの見回り役人」と自嘲するが、裏の顔は凄腕の殺し屋「仕事人」。義母・こうが死んで一年が経ったにも関わらず、塞ぎ込みがちな妻・ふくを案ずるなど家族想いの一面が垣間見える。また、上方から叔母である綾小路てんが同居することになり、頭を悩ませることに。
深川長屋の惨事に直面し、首謀者に対して怒りをあらわにするも、幕閣からの圧力で手出しができないことに苛立ちを見せる。首謀者の一人、蘇我屋忠兵衛を始末するが、その背後の更なる黒幕に豪商と老中という権力者がいることで、「奉行所が奉行所として動く」ことを諦め、裏の稼業で決着をつけることを決意。「偉え奴ほど、命拾いしやがる」と吐き捨て、神竜一家と上総屋を斬り捨てた。
事件解決後、自害しようとするおたねの前に現れ、「自分に男を見る目がなかったと諦めるんだな」と諭している。
経師屋の涼次(松岡昌宏)
表稼業は経師屋。筆の中に錐を仕込み、肩口から心臓に向けて突き刺すのが手口。抜け忍という身軽さを利用し、蘇我屋と飛鳥一家のつながりを明かす証文を素早く掴み、また上総屋と諏訪守のつながりを明かす証文もあらかじめ手に入れておくなど抜け目がない。
経師屋で稼いだ金は食い事に、裏稼業で稼いだ金は博打にと金遣いが荒く、お菊に借金を申し出たり、「献残屋」が儲かると知って鞍替えしてみたりなどするがどれも上手くいかず、結局経師屋を続けることになった。
リュウ(知念侑李)
定職を持たず、江戸で仕事を転々としている。治療を受けた須賀醫院で、手伝いのおたねの美しさに見とれるも、おたねには弥吉という許嫁がいることで断念。二人とはその後も関わりを持ち、飛鳥一家の襲撃でおたねの母・おきよが殺されたときには、過去に僧侶であったことから、おきよの墓の前で経を読み供養する。また、晴らせぬ恨みを晴らしてくれる「三番筋の願掛け」のことを二人に教えた。
神竜一家による深川長屋住人斬殺事件の後、小五郎と共に上総屋の背後を探る。弥吉とほのかが祝言を挙げる日、弥吉がおたねに贈った古い櫛を見せた上で、弥吉がおたねを刺した脇差を使って弥吉を刺殺。自害に見せかけた。
瓦屋の陣八郎(遠藤憲一)
表稼業は瓦職人。瓦を切る鏨で相手の頭蓋骨を斬り、そのあとに砕くという手口。リュウが弥吉とおたねに三番筋の願掛けのことを教えた直後、「それ相応の金が要る」と付け加え、リュウには「人助けのつもりで殺しを請け負うな」と忠告をする。このことで、弥吉は仕事料を稼ぐために無償で行っていた等価交換に手間賃を上乗せすることになる。
綾小路てん(キムラ緑子)
上方から来たこうの妹。40年前、渡辺家から大坂の商家・綾小路家へ嫁ぐ。10年前に夫・六助を亡くし、以来孫に囲まれた隠居生活の身であったが、姉・こうより「もしものときはよろしく」との文を貰っていたことから、江戸の渡辺家へやってきた。婿の小五郎を「ぐーたら」と言い放ち、渡辺家を支えるために同居することになるのだが…。
渡辺ふく(中越典子)
小五郎の妻。「顔が良い」小五郎にベタ惚れ。同居していた母・こうが死んでから、失意の毎日を送り、遺品整理さえもままならない状態だった。住之江から紹介してもらった弥吉のおかげで遺品整理は捗り、すべての処分が終えたあとは笑顔を取り戻した。また、弥吉が持ってきた、母・こうにそっくりな「弥勒菩薩」を床の間に飾っている。
弥吉が、何度も何度も直してつかっているわら草履を見て、「一つのものを大事にする。こういう人は信用できる」と信頼を寄せていた。
増村倫太郎(生瀬勝久)
本町奉行所与力。深川長屋の事件に豪商が絡んでいることから、豪商とヤクザの黒いつながりの探索を配下の同心たちに命じるが、直後増村宛に探索禁止の圧力が掛かり奉行所は手が出せなくなってしまう。
やがて、深川長屋の住人のほとんどが斬殺された際には、登城し切腹覚悟で抗議をすると憤るが、結局行動に踏み出せず、幕閣からの「紙切れたった一枚」の圧力に「これほどまでに奉行所が無力だなんて」と消沈した。
住之江彦左衛門(松尾諭)
本町奉行所定町廻り同心。ふくを、小五郎との二人羽織の芸で楽しませようとするなど、人当たりの良い人物。遺品整理が進まず気持ちばかりが滅入るふくに弥吉を紹介した。
深川長屋が神竜一家によって全滅した際には激しく憤り、増村に「圧力なんか関係ない。本町奉行所が、悪人どもをお縄にしましょう」と強く詰め寄る正義感を見せるも、その想いは通じなかった。
弥吉→海老沢吉右衛門(伊藤健太郎)
馬喰町の油問屋・佐島屋の手代。副業で、物品を等価交換する橋渡しを無償で行っている。物を通じて人と人との縁を繋ぐことが目的のため、それを金儲けの手段とは考えておらず、上総屋はその姿を「善人を絵に描いたような若造。だが、ただ者ではない」と評した。上総屋から、弥吉が行っていることは「献残屋」という立派な商売であり、その都度手間賃を貰えば莫大な富を築くことができると言われるが、目的が違うためと断った。
須賀醫院の手伝い・おたねと恋中で許嫁。近々佐島屋の番頭見習いになることが決まっており、おたねと祝言を挙げることも決まっていたが、おたね親子が暮らす深川長屋が飛鳥一家によって壊滅し、その恨みを晴らすために仕事人に依頼する仕事料を「献残屋」で稼ぐことになった。まとまったお金が貯まり、三番筋に殺しを依頼。早速、深川長屋を襲った飛鳥一家と、その背後にいた蘇我屋が始末されたことに驚く。
上総屋から、恨みを晴らすために「献残屋」で商売をしたことで「簡単に金が手に乗っただろう。それがお前の才覚だ」と促され、献残屋として独り立ちすることを決意。佐島屋を買収し、佐島屋の番頭だった金次郎を付き人にして、事業を大きく発展させていく。やがて、上総屋の計らいで苗字帯刀まで許され「海老沢吉右衛門」と名乗ることになった。
自分の恨みの的でもあった蘇我屋の後釜として、深川長屋の大掃除を命じられた弥吉は、平和的解決を望むも上総屋によってその望みは砕かれる。冷徹になりきれない弥吉を見かねた上総屋と金次郎は、弥吉をそそのかし、おたねを心中に見せかけ殺害しようと企む。その後は、ほのかと祝言を挙げ、商いの道を邁進することを選んだ。
ほのかとの祝言の席では、ほのかの顔がおたねに見えるなど、まだ心に迷いはあったが、宴席に現れたリュウによって刺殺される。
おたね(飯豊まりえ)
須賀連暁が開く診療所・須賀醫院で手伝いをしている女性。美しく、リュウも思わず見とれてしまうほど。しかし、許嫁である弥吉とは固い絆で結ばれており、やがて祝言を挙げることを約束していた。弥吉から等価交換で得た「古い櫛」を贈られ、大事に髪にさしている。
深川長屋で病身の母・おきくと二人暮らしだが、飛鳥一家による取り壊しの際に母・おきよが斬られてしまう。弥吉と二人で奉行所に訴えるも奉行所は動かず、二人は三番筋に恨みを晴らしてもらうよう願を掛けた。早々に恨みの的が殺されたことに驚く弥吉とおたねだが、廃墟に近い深川長屋を、生き残った住人や、リュウ、涼次らと建てなおすため奮闘する。
献残屋として独立し、事業と野心が大きくなっていく弥吉のことが気がかりではあったが、心の底では信じつづけていた。しかし、神竜一家に追われ、弥吉と再会したおたねは、二人で心中することを決意。弥吉と自分の手首に赤い布を巻きつけ、弥吉に刺されたときには「ありがとう」と伝え、弥吉が自分の胸を刺すところまで見届け、寄り添うように死を待つつもりだったが、弥吉が自分の胸を刺しておらず、自分だけを殺そうとしていたことを知ったおたねは、失意の中意識を失っていった。
偶然とおりがかった連暁がおたねを助けたことで一命を取り留める。おたねは、変わってしまった弥吉を含め、今回の事件の黒幕たちの殺しを三番筋に依頼。弥吉から送られた25両を仕事料に、そして弥吉から初めて贈られた「古い櫛」を三番筋に置き、去って行った。
事件解決後、河原で包丁を握りしめ自害しようとしたが、小五郎に「自分に男を見る目がなかったと諦めるんだな」と諭される。
雉子島ほのか(松井玲奈)
将軍・家斉の遠縁にあたる雉子島家のお嬢様。派手な外見と奔放な性格の美人だが、算術に長け和歌も嗜む知的な面も持っている。弥吉とは身分があまりにも違いすぎるが、案外満更ではない様子。上総屋の紹介で弥吉とお見合いをするが、弥吉におたねという許嫁がいることで断られてしまい、プライドを傷つけられたほのかは立腹したまま帰ってしまう。
しかし、弥吉がおたねを捨てて商いの道に邁進することを決めてからは、再度弥吉と会うことを了承し、その場で意気投合して早々に祝言を挙げることとなった。賭け事と暴力をふるう男が嫌いとのこと。
金次郎(袴田吉彦)
佐島屋の番頭。物々交換の橋渡しを行っている弥吉のことが気に食わず、辛く当たることが多々あった。弥吉の献残屋が軌道に乗りはじめ、弥吉が佐島屋を買収したことに端を発した次郎衛門の首吊り自殺をきっかけに、「弥吉の付き人になりたい」と往来で弥吉に土下座をしてまで頼み込んだ。
商売人として冷徹になりきれない弥吉を、自分の意のままに操れないことに苛立つ上総屋に取り入り、弥吉を心変わりさせるための策を弄する。それは、神竜一家におたねを襲わせ、逃げてきたおたねを弥吉に始末させることだった。
弥吉とほのかの祝言当日、陣八郎に額を割られて始末される。
須賀連暁(河相我聞)
須賀醫院の院長を務める町医者。手伝いで来ているおたねを見守る。弥吉によって刺されたおたねを見つけ、介抱したことでおたねは一命を取り留めた。
諏訪守忠悦(林家正蔵)
江戸幕府老中職。「諏訪守」は官位ではなく苗字のようで「すわのかみ」ではなく「すわもり」と読む。上総屋とつながる幕閣の一人で、上総屋の財力で老中首座、果ては大老職までも目論む。千両の大金と引き換えに、上総屋に先祖代々伝わる脇差を譲る。この脇差が、弥吉が「海老沢吉右衛門」に生まれ変わるときに持つ脇差となり、弥吉がおたねを刺した脇差であり、弥吉がリュウに始末される得物となった。
弥吉とほのかの祝言の席へ向かう途中で仕事人が仕掛けた回り道の罠に嵌り、配下の供侍が障害物を片付けている間、涼次に始末される。
蘇我屋忠兵衛(近藤芳正)
大店の主。弥吉を上総屋に紹介した人物。上総屋の指示で深川長屋の立ち退きを飛鳥一家に命じていた黒幕でもある。飛鳥一家が深川長屋で暴虐を行っている様子を、笑いながら眺めていた。それを見た弥吉とおたねは奉行所に訴えるも、奉行所に一切関わるべからずの圧力が掛かってしまう。そのため、弥吉は献残屋で利益を得て仕事料を稼ぎ、蘇我屋殺しを仕事人依頼するのだった。
芸者遊びが終わり外へ出たところで小五郎につかまり、路地裏で腹を刺されて始末される。
上総屋清右ヱ門(西田敏行)
江戸の豪商。数多くの大店や金持ちとコネクションを持ち、幕閣や将軍家の縁戚にも顔がきく大物のフィクサーである。有り余る財力を持ち、非凡な商才を持つ若者たちの後見人となり起業をバックアップする活動も行っている。自らが後見人となり起業した実業家からは利益の三割三分を貰い受け、その一部が公儀への賄賂となり、諏訪守をはじめとした幕閣の懐へと入っている。
弥吉の献残屋の商才にいち早く目を付け、商売にしてみないかと誘うも一度は断られる。しかし、弥吉が仕事料を稼ぐために献残屋で利益をあげていることを知り、商才と独立心をくすぐることで弥吉を独立させる。数多くの若手企業家にサロン的な活動を行い、商売や金についての講義を行うこともあるが、弥吉のことは特別に目を掛けているようで、将軍家縁戚の雉子島家のお嬢様・ほのかを紹介したり、深川長屋の取り壊しといったダーティな仕事も経験させたりなどした。また、弥吉が商売人としてもっともっと大きな人物になるために、苗字帯刀を許し、「海老沢吉右衛門」の名まで与えた。物腰は穏やかで口調も丁寧だが、弥吉が煮え切らない態度を見せた際には、普段からは想像もできないほどの迫力で凄みを効かせた。
その都度、自分の意に反する弥吉に苛立ちを見せることもあったが、弥吉の付き人である金次郎に弥吉をそそのかすことを指示。弥吉におたねを殺させることで、その迷いを断ち切らせた。
自らがオーナーである神楽坂の料亭で弥吉とほのかの祝言を開かせる。宴席で十八番の「剣舞」を舞うことになっており、その練習を行っている最中に小五郎と会う。自分に向けられている殺気を感じた上総屋は金で命乞いをするが、小五郎の一刀の下に斬り捨てられた。
演じている西田敏行が歩行困難であるため、ほぼすべてのシーンが座ったままの演技となっている。
スタッフ
脚本 | 寺田敏雄 |
音楽 | 平尾昌晃 |
主題歌 | 『鏡花水月』The SHIGOTONIN(ジャニーズ・エンタテイメント) |
撮影 | 安田雅彦 |
照明 | 林利夫 |
助監督 | 井上昌大 |
編集 | 園井弘一 |
録音 | 中路豊隆 |
美術 | 黒川通利 |
殺陣 | 中村健人 仲野毅 |
特殊小道具 | 布目真爾 |
小道具 | 浅居丈葉 |
装飾 | 木下保 |
録音 | 上床隆幸 |
効果 | 藤原誠 |
テクニカルディレクター | 保木明元 |
カラリスト | 増田好宏 |
HD編集 | 岩下純也 |
DIT | 川楠敏之 |
VFXスーパーバイザー | 佐々木宏 |
VFXコンポジター | 近津晶子 細川貴史 |
CG/VFXディレクター | 鶴見祐輔 |
デジタルアーティスト | 常吉立馬 向井惠 |
演出助手 | 井田純朋 河野泉 |
撮影助手 | 山本浩太郎 竹内宏 |
照明助手 | 香川一郎 江川敏則 伊藤伸治 渡辺昌 |
録音助手 | 清水貴幸 藤井拓朗 |
編集助手 | 関谷憲治 今西杏奈 |
美術管理 | 石原聖博 |
特機 | 友久哲也 |
大道具 | 大河原哲 |
効果助手 | 川原聖史 |
美術助手 | 豊田紗智子 |
装飾助手 | 貴志樹 中山真里 |
調音助手 | 鷹尾一真 |
邦楽 | 中本敏弘 |
所作指導 | 園英子 |
演技事務 | 山緑美春 岡原伸幸 |
ラインプロデューサー | 溝口豊 |
製作担当 | 小西剛司 |
製作主任 | 姜勇気 |
製作進行 | 青木百合子 |
剣舞 | 安倍秀風 |
スチール | 北脇克己 |
宣伝 | 市川貴裕(ABC) 衣川淳子(ABC) 平野三和(テレビ朝日) |
編成 | 武田行剛(ABC) 池田邦晃(テレビ朝日) |
ホームページ・モバイル | 田中敬(ABC) |
コンテンスビジネス | 福本年秀(ABC) 小川佑亮(テレビ朝日) |
衣装 | 松竹衣装 中川紀代子 藤井祟正 栗岡よしみ |
衣装協力 | 小紋屋 高田勝 |
床山 | 今北久(八木かつら) |
結髪 | 津村直美(八木かつら) |
美粧 | 宮本のどか |
メイク | 中村清和(八木かつら) |
装飾協力 | 高津商会 |
装置 | 新映美術工芸 インテリアマサル |
技術協力 | IMAGICA Lab. |
特機協力 | 関西ロケーションサービス |
タイトル画 | 公益財団法人アダチ伝統木版画技術保存財団 勝又つかさ |
音楽協力 | 株式会社エー・ビー・シーメディアコム 株式会社テレビ朝日ミュージック |
ロケ協力 | 総本山仁和寺 大本山くろ谷金戒光明寺 滋賀ロケーションオフィス 八幡堀を守る会 |
美術協力 | 野村造園土木 青沼塗装 京髑髏 |
語り | 市原悦子 |
題字 | 糸見渓南 |
製作協力 | (株)松竹撮影所 |
エグゼクティブプロデューサー | 内山聖子(テレビ朝日) |
チーフプロデューサー | 飯田新(ABC) |
プロデューサー | 近藤真広(ABC) 山崎宏太(ABC) 山川秀樹(テレビ朝日) 秋山貴人(テレビ朝日) 渡邊竜 嶋村希保 |
監督 | 石原興 |
制作 | ABC テレビ朝日 松竹株式会社 |