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日本の片隅でひっそりと暮らすおじさんが書くブログ

ルパン三世PARTIII 第29話「月へハネムーンに行こう」

脚本:大和屋竺 絵コンテ・演出:荻原露光 作画監督:森中正春

マリー・アントワネットが作らせたウエディングドレスと結婚指輪をいただいたルパンは、不二子にプロポーズして月へハネムーンへ行くことを計画。強力なロケット燃料を開発したマワルト・グルリット博士のもとを訪れるが、博士は超大国諜報機関の下請けを生業にするクラーク・ノイマンに燃料の在り処を吐くよう強要されていた。博士は脱出し残ったのはペットのロボット・ペペ。ルパンはペペと追いかけっこをしながら屋敷を探索しその秘密に気付く。ルパンたちはノイマンを懲らしめ博士がいる刑務所の中へ。博士は自身が開発したロケット燃料がきっかけで戦争の火種をばら撒くのが怖いため、ロケットを隠していたのだ。しかしルパンは在り処に気付き月への新婚旅行へと実行に移すが、博士が酔いつぶれてしまいロケットは墜落。またもルパンと不二子の結婚はお預けに。

ルパンの結婚話に、画期的なロケット燃料を開発してしまった博士の苦悩が絡むお話。超大国や兵器開発輸出国の問題など、何かと冷戦構造を背景にした作品が続く。パースリと同年代に作られたレイズナーなんてその最たるものであったわけだが。グルリット博士は自国が兵器を開発し超大国に輸出する国(恐らくフランスをモデルに作劇)である事から、開発者の立場から大統領に武器輸出を止めるよう進言する。刑務所の中でワインを酌み交わしながら「(次世代ロケットの開発で超大国の仲間入りをすることで)ただ、人が多く死ぬ。それだけの事じゃなかろうか」の言葉が切ない。念力の修行中にペペに邪魔され、ペペを師匠と仰ぐようになってしまうトンチンカンな五右ェ門も面白い。マワルト・グルリット博士役にはベテランの神山卓三。クラーク・ノイマン役には城山知馨夫

ルパン三世 PARTIII Disc.6 [DVD]

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