ガザの嵐隊の葬儀が行われる中、アーガマ追撃の激を飛ばすマシュマー。一方、アーガマに怨み骨髄のゲモンはヤザンを抱きこみチマッターを誘拐。救出に乗り出すジュドーとルーだが、ゲモンとヤザンはそれぞれゲゼに乗り込みジュドーの邪魔を開始。
工業用コロニーのハッチが空いたことを知らせる発炎筒が誤射され、アーガマが動き出してしまった。呼応して動き出すエンドラ。アーガマは果たして無事シャングリラを脱出することができるのだろうか……。
ガザの嵐隊の葬儀で涙を流すエンドラのクルーたち。この結束の強さは後々まで続くことになるわけだが、そんなクルーたちに向けて「アーガマを捉えることが、死んでいったものたちへの供養になる」と激を飛ばすマシュマー。ゴットンは「もっと温かいお肌の触れ合いが欲しいんですよ」と訴える。なお、ここでアクシズ軍がハマーンの発案により「戦没者慰霊衛星」なる珍妙なものを作ろうとしている計画が判明。
そのデザインでOKなんですか?ハマーン様?
さて、シャングリラ脱出に向けて準備を進めるアーガマは、うまく工業用ハッチが開いた場合にチマッターから青い発炎筒を打ち上げてもらう手はずになっていた。ところが、エンドラ、アーガマ両方から煮え湯を飲まされたゲモンがヤザンと手を組み(というか、食べ物を抱き込んで)チマッターを誘拐してしまった。その報を聞いたルーは、一人コア・ファイターで救出に向かう。この時、ビーチャがルーに対して敬語を使っているのが何となく違和感だが、それよりもコロニー住人を役立たずと言ってしまうルーの言葉遣いの荒さがより目立つ。なお、今回のルーは私服で活躍。胸の谷間が見えるくらいに胸元を開けた大胆な衣装が非常にセクシー。色は青と白を基調にしていて爽やかです。
ジャンク屋組合はハッチの開閉権で利益を上げている団体のようで、工業用ハッチも彼らの同意がなければ開くことができない。ルーばかりに任せてはおけないとΖガンダムで出撃するジュドー。ジャンク山にΖを隠してジャンク屋の集会に紛れ込む。この時、同じく紛れ込んでいたルーの肩を叩くジュドーだが、この時「何よ!」と語気を荒げて返事をするルー……怖い。
エンドラがジャンク山に向けて放った艦砲射撃がきっかけで、集会は大混乱。ゲゼに乗り出撃するゲモンとヤザン。この時、ルーがジュドーに対して「チマッターさんを助けて。あなたにやれる?」と挑発するのが印象的。チマッターさんを助けてルーのコア・ファイターに乗せるも、発炎筒を持ったジュドーがゲゼに追われてしまうことに。この時のジュドーのアクションが、東京ムービー系の動きで面白い。そして、うっかり発炎筒を打ち上げてしまったジュドー。これにより、アーガマはジャンクの陰から出撃し、工業用ハッチに向かうことに。発炎筒が打ち上げられた瞬間にヤザンが呟く「おぉ!新兵器」の言葉に、ちょっと不安を感じてしまうのだが……。
ゲゼ二機がアーガマに向かってジャンクを投げつけている間にΖに乗り込むジュドー。一方、チマッターを乗せたルーはそのまま工業用ハッチへと向かう。ここで、ゲゼとΖとの死闘が繰り広げられるのだが、ゲゼ二機はそれぞれアーガマに取り付き怨みを込めた攻撃を行う。長い鉄くずでアーガマの主砲をガンガン殴ったり、Ζに関節技を仕掛けて頭をボコボコ殴ったり。この時のヤザンの怨み節が凄まじい。Ζのパイロットに対して散々毒を吐くわけだが、当時のパイロットはカミーユ。でも今はジュドーなんですよね。その辺りの違い、分かっているのかな、と。
地面に叩きつけられたゲゼだが、ゲモン機のみ着地に失敗。この隙を突いたΖのビームライフルがゲモン機を直撃する。ヤザンの「ゲモン!死ぬな!」の叫びは届いたのだろうか?生死は不明。そんな乱戦の中、工業用ハッチを開いたとのルーからの知らせが!何とルー一人で工業用ハッチを占拠したのだ。一方、エンドラの主砲でアーガマを撃沈させようと照準を合わせるエンドラだったが、変形したΖによって振り落とされたヤザン機がエンドラの主砲に直撃!エンドラの主砲が使えなくなる事態に。ちなみに、ヤザンはジャケットをパラシュート代わりにしてゲゼから脱出。ここでも悪運の強さを見せつける。
工業用コロニーから脱出するアーガマ。ハッチがちょうどスコープの役割となり、真正面にいるエンドラを狙い撃ちできる位置に。エンドラを撃沈させるため主砲の用意をするブライト艦長だが、ウェーブライダー状態のΖが邪魔でなかなか撃てない。Ζが言うことを聞かないのだ。一方、主砲を潰されたエンドラでは、マシュマーがハンマ・ハンマでの出撃を強行しようとしていた。「死んでいった者たちに申し訳が無い!」アクションはコミカルだけれども、この時のマシュマーはΖΖが始まって以来見たこともないくらいに熱く、真剣である。しかし、Ζが射程範囲外に出た瞬間を狙ってアーガマから撃ち放たれたメガ粒子砲がエンドラを直撃。カタパルトデッキは損傷し、更にハンマ・ハンマの組み立ても終わっておらず、マシュマーは悔しさを滲み出す。
操縦不能状態のΖだが、ジュドーの「俺はニュータイプなんだってよお」の気合一発でアーガマへ無事帰還。デッキに上がった後、えらくルーのことを気にするジュドーであった。一方、冒頭と同じく葬儀を行うエンドラのクルーたち。今回の戦いで死んでいった兵士に加え、巻き込まれて死んでいったコロニー市民の者たちの供養も、ということで、墓穴の中に豚の骨を放り込むマシュマー。いや、これはヤザンさんが齧っていた豚肉の骨なんですけど……。これ、ゲモンとヤザンが死んだ、って解釈しても良いのかしら?ヤザンは見る限り死にそうにないんだけどな。ともあれ、葬式が兵士の士気を高揚させることを知り、指揮官として成長したマシュマー。アーガマ追撃に命を燃やす。一方、一足先に宇宙に出たアーガマ。成り行きでアーガマのクルーになったジュドーらシャングリラの少年たちは今後一体どうなるのか。あと、シャングリラにカミーユを残してきたファの心境も心配です。
作画監督は神村幸子。『新ルパン三世』など東京ムービー系作品で活躍していた女流アニメーターで、その実力は折り紙付きである。夫はアニメーター、アニメ監督のこだま兼嗣。北原健雄や青木悠三(青木雄三)といったアニメーターに強い影響を受けている。1983年の『みゆき』が初作画監督か?1985年の『ルパン三世PARTIII』の作画監督を経て本作に参加。おそらく未体験のメカモノ……それもガンダムということで、参加の経緯がいまいちよく分からないのだけれど、1986年公開の安彦良和原作・監督の劇場用作品『アリオン(制作:日本サンライズ)』に原画として参加していることが、ひょっとしたらきっかけか。独特の乙女チックな作画が目を惹くが、今回でもその個性は存分に発揮されている。
プロローグ
ラビアン・ローズからルー・ルカって女の子が来たことだし、アーガマはシャングリラから早く出てってもらいたいんだよ。これ以上コロニーに穴を開けられたんじゃ堪らないからね。無料でハッチを開けてやるからさ、って頑張ったんだけど、これが甘かった。お人よしでは少年は生きていけない!
セリフ
ルー「チマッターさんを助けなきゃならないでしょうに!まったくコロニーの人って役立たずなんだから……!」
ジュドー「よそ者にシャングリラのことを任せておけますか!」
マシュマー「死んでいった者たちのためには……やらねば」
ルー「あー、こりゃまずった……責任取るわよ。ハッチ開ければ良いんでしょ?」
ヤザン「お前に邪魔はさせないぜ!このまんまアーガマに出て行かれては、金にならん!……いつも俺の邪魔ばかりしやがって…ひもじくて汚い思いをさせやがって…撃てるもんなら撃ってみろ!」*アーガマの主砲に取り付くヤザンのこの執念はさすが。
ヤザン「ティターンズの俺が、惨めな生活をしなきゃならなかったのも、ジャンク屋ごときに身分を隠して、へーこらしなきゃならなかったのも、どれもこれも、みんなお前のせいだ!大体、こんなコロニーに来なきゃならなかったのも、前の戦いでお前にやられたせいじゃないか!」
ジュドー「俺じゃないよ!」
ヤザン「白をきる気か!お前のせいで何度死にそうになったと思ってるんだ!?」
マシュマー「私がハンマ・ハンマで出る!死んでいった者たちに、申し訳がない!」
声の出演
ジュドー・アーシタ:矢尾一樹/ブライト・ノア:鈴置洋孝/リィナ・アーシタ:岡本麻弥/イーノ・アッパーブ:菊池正美/ビーチャ・オーレグ(アストナージ・メドッソ):広森信吾*1/モンド・アガケ:塩屋浩三
ファ・ユィリィ:松岡ミユキ/エル・ビアンノ:松岡ミユキ/ハマーン・カーン:榊原良子/マシュマー・セロ:堀内賢雄/ゴットン・ゴー:戸谷公次/ヤザン・ゲーブル:大塚芳忠/ルー・ルカ/松井菜桜子/ゲモン・バジャック:玄田哲章/トーレス:柴本広行*2/チマッター:金丸淳一/シンタ:坂本千夏/クム:荘真由美
スタッフ
作画監督 | 神村幸子 |
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原画 | 石丸賢一/岩滝智*3/宇治光夫/江面久/小野浩一郎/越智博之/加藤洋人/神村幸子/喜多島和成/坂田文彦/佐藤厚志/仲盛文/松本忍/南全子/山田浩之/山田真史 |
動画チェック | 近藤梨恵*4 |
動画 | 赤坂理恵子/木下みさ子/鈴木美穂/林鳳翔/川田栄三/鈴木啓泰/有田裕次/中尾直紀/アルゴシップ/邪魔猫クラブ |
色彩設定 | 高島清子*5 |
色指定 | 清田みどり |
特殊効果 | 千場豊 |
仕上処理 | 前林文恵 |
仕上げ | ジャスト/小野原浩美/千葉清枝/吉田麻紀子 |
背景 | スタジオコスモス/池信孝/市原義仁/宮崎由子 |
撮影 | 旭プロダクション/古林一太/奥井敦/平山明夫 |
編集 | 布施由美子(井上編集室) |
効果 | 横山正和 |
調整 | 依田章良 |
録音 | ニュージャパンスタジオ |
現像 | 東京現像所 |
タイトル | マキ・プロ/岸村弘明 |
設定ベース | 永瀬唯 |
協力 | 河本洋一/西中康弘 |
制作デスク | 高森宏治 |
設定制作 | 近藤康彦 |
制作進行 | 杉浦勉 |
演助進行 | 高松信司 |
制作補佐 | 原田奈奈 |
OPコンテ | 滝沢敏文 |
ENDコンテ | 斧谷稔*6 |
OP・END作画 | 瀬尾康博/北爪宏幸/内田順久 |
OP・END美術 | 池田繁美 |
脚本 | 鈴木裕美子 |
ストーリーボード | 横山広行 |
演出 | 横山広行 |