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日本の片隅でひっそりと暮らすおじさんが書くブログ

シティーハンター 第25話「愛の国際親善?!ライバルはブロンド美人」

冴羽が偶然出会ったブロンド美人エンジェル・ハート。彼女の正体は、東南アジアの小国・クトールのゲリラ戦で使用された「日本式38ミリ機関砲付戦車」の出所を調査するために来日したスイーパーだった。「地獄の天使」との異名を持つほどにクールな彼女、冴羽のもっこりセクハラも気に留めず、相棒のコンピューター「ロバーツ」で密輸組織を追跡するものの、逆に冴羽に救われてばかり。

観念したエンジェルは冴羽をパートナーに加えて事件を追う。土木建設用機械に偽装しての戦車輸出現場を突き止めた冴羽たち。戦車によって追い詰められるが、エンジェルの持つ44マグナムで戦車のキャタピラのボルトへワンホールショット!事件は解決し帰国の途につくエンジェル。「今度日本へ来るときはあなたの事……計算に入れてきて良いかしら?」

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ハードボイルト色の強い今回の作品。雰囲気的には最初期の作品に近い印象を受ける。今回の香は完全に蚊帳の外。男(坊や)と間違われるのも久しぶり?

ブロンド美人は「あちら」のスイーパー。日本政府の書類を使って捜査していることから、スイーパーというよりも国家的に大きな影響力を持つ捜査機関の「エージェント」のほうが合っているかもしれない。冴羽も思わず「国際的」と漏らすほどの超グラマラスなプロポーションだが、性格は冴羽のセクハラにも動じない沈着冷静なクールビューティー。「エンジェル・ハート」の名前から”地獄の天使”の異名を持つほど*1

このエンジェルの相棒はコンピューター「ロバーツ」。本部の端末に直結しているのか、即座にヘリを呼び寄せることも可能な最愛の「恋人」である。ところが、エンジェルはロバーツが出す答えを鵜呑みにして正面から向かってしまうため、相手に裏をかかれて何度も危機に陥る。そこを冴羽が救い、エンジェルは冴羽に対して信頼を厚くしていくのだった。

ゲストヒロイン役には、70年代より数々のアニメでヒロイン役を演じてきた大御所・吉田理保子を迎えた。ゲストで女性は吉田だけと、まさにVIP待遇。神谷明との共演も多数で、代表的な作品と言えば『ゲッターロボ』の流竜馬と早乙女ミチルだろうか。また、野上冴子役の麻上洋子とデュエットCDを出している。密輸組織ボスの声を充てているのは千葉繁。この当時に顕著が、氏のトチ狂ったハイテンションな演技は健在で、銃でキャタピラをワンホールショットされているにも係わらず「銃など効くもんかあ」の甲高い叫び声が何とも良い仕事。この頃は『北斗の拳』でナレーションやってた頃かな?吉田理保子とももちろん共演経験は有り、『まいっちんぐマチコ先生』のマチコ先生と山形先生で共演している。

音楽面でこの頃から変化が見られる。国吉良一の劇判は少なくなり、矢野立美の劇判が多く使用されるようになった。挿入歌においても、エンジェルが冴羽のマンションを後にする際、今後の冴羽の”戦闘曲”として耳にタコが出来るほど聴くことになる「FOOTSTEPS(歌:北代桃子)」が、熱感知ミサイルの危機を脱出するシーンでも今後の”戦闘曲”として活躍する「WANT YOUR LOVE(歌:北代桃子)」が今回初登場。どちらも矢野立美の作・編曲である。

作画面では西澤晋の仕事が光る。冒頭でエンジェルが殺し屋を感電死させる際に電飾を水に投げ入れるシーンや、冴羽のマンション屋上でエンジェルがヘリを呼ぶシーンなどAパートの作画のほとんどを担当し、骨太なタッチで強い印象を残す。

セリフ

エンジェル「地獄の天使……って言う人もいたわ」

冴羽「そのリトルキャノンなら、もう一度、奇跡が起こるかもしれないぜ」

次回予告

冴羽「やっほ〜!由貴ちゃん、ハンバーガーちょうだい」

香「最近入り浸りね、この店に」

冴羽「由貴ちゃん見たさについ足が……」

香「まったく、彼女から世の男どもを遠ざけて、って依頼なのに、ボディーガードが日本一の野獣だもんね」

冴羽「失礼な!俺はただ彼女に世間の勉強を色々とだな……」

香「はいはい。要するにデートしたいんでしょ?」

冴羽「ドキッ!シティーハンター『愛ってなんですか?獠の正しい恋愛講座』」

香「絶対見てね!」

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キャスト

冴羽獠:神谷明/槇村香:伊倉一恵

エンジェル:吉田理保子/立花:千葉繁/スカンク:山寺宏一/ムジカ:島香裕/ジャムカ:小出和明/子分:笹岡繁蔵

スタッフ

脚本 武上純希
絵コンテ 江上潔
演出 江上潔
作画監督 北原健雄
原画 西澤晋*2/三枝直/石田敦子/荒木英樹/仲田美歩
動画 網野佳子/春日久美子/四本忠司/スタジオ ムサシ/たくらんけ/スタジオMAY
動画チェック 石井康雄
色指定 千葉賢二
仕上 スタジオ・ボギー/岡本直子/石丸好美/小川澄子/福島友子
特効 千場豊(マリックス)
背景 獏プロダクション/本田修/本田利恵/中原英統/平田秀一/平川栄治/西村康浩/甕智恵子/服部一広
撮影 旭プロダクション/長谷川洋一/末弘孝史/福田寛/土岐浩司
編集 鶴渕映画
タイトル マキ・プロ
効果 松田昭彦(フィズサウンド)
整音 大城久典
音響制作 オーディオ・プランニング・ユー
録音スタジオ A・P・Uスタジオ
現像 東京現像所
設定 山本之文
制作助手 渡辺葉子/佐藤あさみ
制作進行 藤本容伯
文芸 外池省二
製作担当 望月真人



本ページの情報は2020年2月時点のものです。
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*1:この時点で「エンジェル・ハート(Angel Heart)」の名称が出てくるとは。偶然とは恐ろしい。

*2:西沢晋