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日本の片隅でひっそりと暮らすおじさんが書くブログ

必殺仕切人 第7話「もしも九官鳥が秘密をしゃべったら」

能役者で宝春流二代目家元・宝春八郎(森下哲夫)の妻が立て続けに2人死ぬという奇怪な事件が江戸を賑わす中、お国(京マチ子)たちは森林浴にやって来た石黒谷でその現場を目撃してしまう。目をつけられるお国。
一方、勇次(中条きよし)は居酒屋で能面師・観右衛門(梅野泰靖)と出会う。観右衛門から「面の内にある殺気」を読み取られるも親しくなり、娘のちどり(林亜里沙)は勇次に惹かれはじめる。
宝春流の新作を将軍上覧舞台で披露することになった八郎。母・梅若(阿井美千子)は将軍家側用人である丹波(江波隆)を買収しスキャンダルを封じこめるも、八郎の色情狂は治まらず、更にはその性癖を芸の肥やしとして咎めない有様。やがてちどりは八郎に犯され死亡。父である観右衛門も殺されてしまった。ちどりから今わの際に依頼を受けた勇次。将軍が見ている舞台の上で始末することに。

必殺仕切人/必殺仕事人V [VHS]

必殺仕切人/必殺仕事人V [VHS]

スキゾー、石黒谷で捕まえたつがいの九官鳥のオスに「スキゾー」、メスに「オネエ」と名付け言葉を教え込もうとする。「オネエ」を買い取ったのは八郎。ちどりを犯す際に傍に持ってきていたことから、観右衛門の恨みの声を記憶していた。

良い女を見ると見境無く犯し、やがて命を奪うという非道の限りを尽くす八郎だが、「あれは八郎の病じゃ。あの病の源こそが、宝春流の真髄を後々の世に伝える妖しの力」と正当化して放置する母の梅若。まさに「狂気の親子」である。更に宝春流は将軍から寵愛を受けており、側用人を背後に何かと揉み消しを図る。

勇次が偶然出会った観右衛門。勇次の端正な顔立ちと、その奥に隠された「殺気と血のニオイ」を感じ取る。八郎に般若の面を進呈するも、娘ちどりが毒牙にかかり現場に居合わせた観右衛門も死亡。勇次らは恨み晴らしに取り掛かる。

舞台で能を舞う中、八郎を吊り殺す勇次。今回から吊る際の支点となるフックが登場。目の前で空中に吊られている八郎を見ても、「見事じゃ」と気の抜けたことをのたまう将軍様にはガッカリ。スキゾーにも「いかれた将軍だね」とか言われる始末。

阿井美千子、梅野泰靖など舞台系の役者がゲスト出演。何気に阿井美千子って京マチ子山田五十鈴級の大物だったり。必殺常連でもあります。脚本家も劇作家の鶉野昭彦と来ている。ここのところぶっ飛んだ舞台設定も無く中身も安定している。お国の大奥時代の設定も活かされており、幅を持たせた作品に仕上がっている。

キャスト

お国:京マチ子/新吉:小野寺昭/お清:西崎みどり/日増:山本陽一/梅若:阿井美千子/宝春八郎:森下哲夫丹波:江波隆/ちどり:林亜里沙

勘平:芦屋雁之助

半蔵:伊庭剛/元正:中嶋俊一/楓:世利ゆかり/男:武井三二/娘:岡本さとみ、木下さとみ/能指導:橋本雅夫、橋本擴三郎

観右衛門:梅野泰靖/勇次:中条きよし

スタッフ

脚本:鶉野昭彦/監督:松野宏軌