非正規雇用で働く中年のおじさんである僕は、この4月から転職活動をはじめようと履歴書を作成し始めた。と言っても、低学歴で大した経歴はなく、職歴も非正規雇用ばかりで中身はスカスカなわけだけれども。
現状、いい加減に正社員にならないと…と思いつつも、なかなか上手くいかないまま、ずるずると非正規雇用を繰り返してしまっている。幸い、昨年から政府が就職氷河期世代の就職支援に本腰を入れ始めたおかげで、僕のような中年のおじさんでも、割とウェルカムな企業は増えてきたのかな、という気がするので、このチャンスを生かして何とか正社員の職に就きたいと考えている。考えているところなのだけど、今日こんなニュースが飛び込んできた。
いやいやいや、ちょっと待ってくださいよ。コロナウイルスという未曽有の危機が訪れたとはいえ、株価がリーマンショック級の下げ幅を記録なんて。転職しなくちゃいけないこの時期、この下げ幅が到来するというのは、非常にまずいことに繋がるのでは…と、リーマンショック当時の就職活動を思い出しながら考えてしまうわけです。
中国での生産が完全にストップし、その影響で中国から仕入れる部品等を使う国内の生産ラインに大きな影響が出るというのは容易に想像はつくけれども、それ以上に国内の製造や流通、小売、サービスといったところが、いつの間にやら中国に依存しきっていることに、今回のコロナウイルスの騒動を通して改めて思い知らされた。
国内観光地は中国人観光客が来なくなって閑古鳥が鳴いているし、百貨店やデパートも中国人の「爆買い」がなくなったという状況からか、今期の決算見込みを下方修正したとか。消費税増税の影響だって、もちろんある。
日本人が旅行へ出かけるだけの時間的金銭的余裕がなくなり、また百貨店やデパートでものを買わずにファストファッション等で済ませるようになったことで、国内でこれらの産業や業界を支えることが、いつの間にかできなくなってしまったように思う。それでも、現時点でにぎわっている観光地があったとしても、コロナウイルスの感染を避けるよう人混みに近づかなくなるようになれば、自然と集客は見込めなくなってしまうだろう。客と店舗で直接お金のやりとりが発生する観光業や小売業、サービス業が落ち込み始めると、嫌でも暗い話題が目立つようになってくる。
国内に「お金」という血液が循環するのがただでさえドロドロの日本なのに、これ以上ドロドロになってしまうと、就職どころの騒ぎではなくなってしまうかもしれない。むしろ、クビを切りまくる時代がまた到来してしまうのでは…という恐怖がある。そこで、僕自身の現状を照らし合わせて今考えているのは、「採用されやすい求人に応募して、とりあえず職だけは確保しておく」ということ。と言っても、ブラック企業は勘弁なので、できるだけブラック企業じゃなさそうなところを、片っ端から応募しまくるしかないだろうなと覚悟している。
もしそれでダメだったとしたら、潔く実家に帰って子ども部屋おじさんになるしかないかな。コロナウイルスのパンデミックを想定すると、それも現実的な一つの方法ではある。でも実家に帰りたくない。ここ以上に仕事がないんだよ。